内容説明
「ポラーノの広場」「林の底」「猫の事務所」「よだかの星」「まなづるとダアリヤ」「水仙月の四日」「おきなぐさ」「グスコーブドリの伝記」などの情景に眼を凝らし、耳を澄まし、そこに何が聞こえるかを確かめ、それぞれの“面白さ”の秘密を探り、読者を多彩な賢治ワールドへ誘う。イーハトヴはさまざまな“音”に満ちた領域である。
目次
「ポラーノの広場」―切ない物語
「林の底」―月と梟と“私”と
「猫の事務所」―“かま猫”のなりゆき
「よだかの星」再読―聖書的な視点から
「まなづるとダアリヤ」―ふたつの“物語”
「水仙月の四日」―“雪童子”と“子供”と“雪婆んご”と
「おきなぐさ」―主人公のゆくえ
「グスコーブドリの伝記」―その墓はどこに
著者等紹介
遠藤祐[エンドウユウ]
1925年東京に生まれる。東京大学文学部(旧制)卒業。日本近・現代文学専攻。フェリス女学院大学文学部、聖心女子大学文学部、昭和女子大学大学院文学研究科各教授を歴任。日本キリスト教文学会役員、文学博士。谷崎潤一郎、宮澤賢治、芥川龍之介、太宰治、遠藤周作らの文学を対象に、それぞれの作品テクストの示す語りの位相の綿密な追尋に意を注いで、何を語るかに迫る試みを重ねる。“ハリー・ポッター”、“ドラゴンライダー”シリーズほかのファンタジーの熱烈な愛読者でもある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。