内容説明
西欧に数百年も先駆けた鎌倉時代の人物表現!有名な東大寺の『仁王』像は、教科書などでも運慶の作品とされていて、これまで誰も疑ってこなかったが、そうではない!快慶は、運慶と並ぶ大作家だとされてきたが、評価できない。運慶作『弘法大師』像を新発見。など、定説をくつがえし、鎌倉時代の八人の巨匠を世界美術史上に位置づける。また、七大巨匠の全作品リストを、日本で初めて作成し、写真もつける。
目次
はじめに 南大門『仁王』像は運慶作ではない
序章 仏像を芸術作品として見る
第1章 雄渾の師匠・運慶―『無著・世親』像と全作品
第2章 名匠の復活・湛慶―『摩和羅女』像と全作品
第3章 諧謔の巧匠・康弁―『天燈鬼』『龍燈鬼』
第4章 忿怒の巨匠・定慶―『金剛力士』像と全作品
第5章 品格の画匠・藤原信実―『源頼朝』像と全作品
第6章 華麗の名匠・住吉慶忍―『平治物語絵詞』と全作品
第7章 清廉の巧匠・無等周位―『大燈国師』と全作品
終章 美術史方法論の問題―様式からの出発