内容説明
天皇の死、日米経済戦争、中東戦争、ソ連崩壊と続く未知の段階にわれわれはどう対応するのか?それぞれの時点で、必ず発言してきた吉本隆明の最新の世界認識を厳選しておくる。
目次
現代を読む―日本・ソ連・アメリカ問題
中東湾岸戦争私論―理念の戦場はどこにあるのか
こんどソ連で起こったこと
世界転向論
70年代のアメリカまで―さまよう不可視の「ビアフラ共和国」
善悪を超えた「資本主義」の遊び方(対談)
日本の現在・世界の動き
昭和天皇とその時代(対談)
日本人の「場所」―象徴天皇制と高度資本主義社会
1970年代の光と影
いまの社会とことば
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
y_u
3
92年の著作。まさにソ連の社会主義がその使命を終え、日本はバブル経済が崩壊し、日米構造会議と中東問題で米国に頭脳と外交で完膚なきまでに敗戦する歴史的転換点を吉本先生なり分析。自身が敗戦の経験者であることから、国家への不信感があり、一般大衆の力をどう社会制度にインプットするのか、それと相反するように、米国の社会構造を読み解き、制度改革を断行する力を日本にどう養うべきかを問う。消費社会の分析も面白い。男性より消費にコミットする女性の台頭を予言。現在ならタブー視されている天皇制にも切り込み、色褪せない一冊。2021/09/04
numainu
0
評価E2003/03/14