内容説明
かつてアジア大陸の東の縁にあった日本列島は二〇〇〇万年前頃から分裂を始め、日本海とフォッサマグナが一五〇〇万年前頃までに形成された。ほぼ同じ頃、伊豆・小笠原弧がフィリピン海プレートにのって北上を開始し、関東山地を押し曲げながら、巨摩山地、丹沢山地、伊豆半島などが次々に本州に衝突・付加した。そして、現在の日本列島の形ができた。神奈川を中心とする南部ファッサマグナでは四つのプレートが重なり合い、さまざまな地球科学現象が起きている。本書は、神奈川の大地での出来事を跡づけながら、日本列島形成の解明に、七人の研究者が挑んだものである。
目次
序章 神奈川を取り巻く陸と海
1章 大陸の縁に形成された日本列島の土台(ジュラ紀~新第三紀中新世)
2章 日本海、フォッサマグナの形成と伊豆・小笠原弧の衝突(新第三紀中新世~鮮新世)
3章 南部フォッサマグナの付加体(新第三紀中新世)
4章 現在も続く伊豆・小笠原弧の衝突(新第三紀鮮新世~第四紀)
5章 フォッサマグナとプレート境界(現在)
終章 神奈川の大地の生い立ち
著者等紹介
藤岡換太郎[フジオカカンタロウ]
1946年生まれ。元独立行政法人海洋研究開発機構特任上席研究員、神奈川大学・桜美林大学非常勤師。理学博士。専門は海洋地質学
平田大二[ヒラタダイジ]
1955年生まれ。神奈川県立生命の星・地球博物館館長。専門は地質学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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翔亀
42
神奈川3部作の最新刊。1991,2004,2014と書き継がれてきた神奈川の大地の生い立ちが、日本列島の誕生とリンクする。日本列島が大陸から分離し日本海が拡大、南の海の海底で生まれた古伊豆弧が日本列島に衝突し、さらに今の伊豆半島が衝突して丹沢が隆起(丹沢の山頂は海の底の地質)、同時に房総半島、三浦半島、大磯丘陵(東側が高麗山)が出来る。箱根火山と富士山が噴火して関東ローム層ができるのは、ずっと後のこと。研究者の間でも異論があり一つの仮説にすぎないが、この壮大な仮説の完成形が提示されたことに拍手を送りたい。2016/02/27
禿童子
4
結局、なぜ日本海が拡大したのかについては語られていない。2015/11/19
Mマジパン
1
東京都の郊外在住、ほぼ神奈川。藤岡先生の本を読んで自分のいる地域がフォッサマグナに含まれるかもしれないと思い俄然興味を持った。この本は専門の研究を集めたもので、扱う対象が海底からマントルの奥にまで及び非常に専門的で難しい。しかし四苦八苦して読んでいくと足元の大地が四つのプレートのせめぎ合いによる絶え間ない変動のもとに出来上がったことがなんとなくわかったように思う。大変面白い。2024/01/20
石光 真
1
日本列島がユーラシア大陸の一部だったときの付加隊がたとえば三浦半島の地層に残っている。最後のまとめが通史。前半は個別論文。2017/11/19
ゆうやけPC
0
知識を詰め込みすぎて、結局何の本だったのか良く分からない感じだった2017/10/03