内容説明
明治の自由民権運動は、国会開設、地租軽減、条約改正、憲法制定、地方自治を掲げて、全国で闘われた日本最初の民主主義運動であった。多摩三郡をふくむ当時の神奈川県は民権運動の先進地域といわれ、豪農層の指導のもと、多くの活動家に支えられた大衆的な組織が各地につくられ、多彩な運動がくりひろげられた。本書は、100をこえる県下の民権結社の活動を紹介しながら、国会開設運動から自由党結成、武相困民党事件、大阪事件までを跡づけた自由民権運動史である。
目次
1 神奈川県における民権運動の歴史的背景
2 国会開設運動
3 都市民権の発展
4 民権結社の活動
5 民権思想の開花
6 自由党と改進党
7 17年不況と武相困民党
8 民権運動の挫折―民権から国権へ