内容説明
ニューヨークのイディッシュ語新聞への足掛け三年の連載、邦訳一八〇〇枚に及ぶ『モスカット一族』は作者自身が「一つの時代を再現することが目的だった」と語るように、分割支配下のポーランドのイディッシュ文化圏を四世代百余人を登場させ具体的事実を連ねて十全に語り継いでいる。この物語はまた、二千年に及ぶユダヤの伝統社会が近代化という世界の潮流の中で崩壊していく、一つの社会を生きた最後の人々を赤裸々に描き切っている。あるいはまた、われわれ人類の末路を予見させる物語であるかも知れない。いずれにせよ読み始めたら頁を繰る手の止まらない、読む度に味わい深くなる傑作長篇である。ノーベル文学賞受賞宜なるかな。(三度読んだ編集人一推しの書)
著者等紹介
シンガー,アイザック・バシェヴィス[シンガー,アイザックバシェヴィス] [Singer,Isaac Bashevis]
1903年、ポーランドのワルシャワ郊外でユダヤ教のラビの子として生まれる。1920年代半ばからイディッシュ語による短篇小説を発表し始める。35年に兄で作家のイスラエル・ジョシュア・シンガーの援助で渡米。その後もイディッシュ語で作品を書き続け、1970年と74年に全米図書賞を、78年にノーベル文学賞を受賞する。長篇小説、短篇小説、童話、エッセイ、回想録など、多くの作品が英訳されている。1991年にアメリカで亡くなった
おおさきふみこ[オオサキフミコ]
1953年生まれ。明治大学文学部文学研究科博士後期課程単位取得退学。鶴見大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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