内容説明
露文を出て、ソ連のレコードを輸入販売する会社で働いていました…「行くなら、今しかないよ」若者はその後ソビエト連邦の極東・ハバーロフスクへ。国営放送「ロシアの声」翻譯員・アナウンサーとして廿余年、ソ連で二年余、ロシアで十九年余を生きた衣・食・住。近くて遠い国を巡るエッセイ94篇。
目次
1 渡露(筆;指 ほか)
2 放送(坩堝;有江さん ほか)
3 衣(帽子;冬沓 ほか)
4 食(氷菓子;烏賊 ほか)
5 住(部屋;寄宿 ほか)
著者等紹介
岡田和也[オカダカズヤ]
1961年浦和市生まれ。早稲田大学露文科卒。元ロシア国営放送会社「ロシアの声」ハバーロフスク支局員。元新聞「ロシースカヤ・ガゼータ(ロシア新聞)」翻訳員。訳書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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aika
33
ソ連時代の極東ハバロフスクという異国での懐かしい日々が、丁寧で独特な文体で綴られています。漢字が多用された硬質に見える文章ですが、キリル文字のルビが振ってありユニークです。著者はロシアの男性では珍しいおかっぱ頭で、係の人から女性用トイレに案内され戸惑う場面には思わずクスッと。以前読んだクセニヤ・メルニクの『五月の雪』のモデルについての記述は嬉しいサプライズでした。外国人向けの放送局での過酷な翻訳の仕事の合間に目にして救われた気持ちになったという一本の坂道と広がる青空を、私もいつの日が見てみたいです。2023/10/24
Shun'ichiro AKIKUSA
3
貴重な記録。他方で漢字が旧字なのは著書のこだわりなのだろうが、かなり読みにくい。2020/06/11