目次
初期詩篇 FIATALKORI VERSEK 1924‐1929(貧しき者のバラード;貧しき者の恋人に;ぼくが叫んでいるのではない ほか)
悲歌 EL´EGIA 1932‐1934(郊外の夜;七番目;冬の夜 ほか)
後の嘆き歌 K´ESEI SIRAT´O 1935‐1937(子守唄(アルタトー)
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秋 ほか)
著者等紹介
アティッラ,ヨージェフ[アティッラ,ヨージェフ] [Attila,J´ozsef]
1905~1937。ハンガリーの首都ブタペストの貧しい労働者の家庭に生まれる。三歳で父が失踪、十四歳で母に先立たれ孤児となる。養父の援助でギムナジウムを経てセゲド大学の哲学科に進むが、既成の倫理に挑戦する詩を書いて大学を追われる。ウイーン、パリと放浪し、フランソワ・ヴィヨンに感銘を受ける。帰国後労働運動に関わりつつ、新しい時代の詩を求め、ハンガリー詩の伝統に革新をもたらす作品を発表。だが貧困と孤独の中で精神を病み、三十二歳の若さで自ら命を断った
原田清美[ハラダキヨミ]
1948年熊本生まれ。都立大学大学院仏文科修士課程修了。1978~80年、ブザンソン大学留学。2001年、ハンガリー政府奨学金を得て、ELTE(ブタペスト大学)留学。現在、城西大学講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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保山ひャン
1
20世紀初頭のハンガリーの詩人、ヨージェフ・アティッラの詩集。彼は貧困と精神の病に苦しみながら、1937年、32歳の若さで自ら命を断つ。解説では彼の人生を彩った三人の女性マールタ、ユディット、フローラについても詳しく述べられている。晩年、こんな風に始まる詩がある。「ぼくは突然、消えてゆく。/森の奥の獣のように。/ひたすら虚しく生きてきた、/その報いがやってくる。」また、「苦しい」と題する詩にはこんなフレーズがある。「人間たちよ、/倒れ、傷つき、/呻け、苦しいと!」2019/02/22
ばん
1
大事2016/01/30
イシュア
0
己の生き様を振り返り、こう思うー/何ひとつない者には、死にも/金はかかるまい。ひっそりと/死にゆく獣のように、消えていく。/不安に責め苛まれても、己の場を守り抜いたー/ この世に生を受け、人と交わり、袂を別かった。/必要とあらば、支払もした、/無償でてを差しのべる者あらば、愛を応えた。/女が欺こうと寄り添えば、/思いのままに、欺かれもした。/水夫になり、船を洗った。/賢い輩の間では、愚か者のふりをした。/玩具やパンを売り、新聞や本や詩を売った、/できることなら、なんでもやった、…「決算の用意はできた」2016/02/07