内容説明
不条理で無慈悲な暴動を描き、名だたる詩人たちに多大な影響を及ぼしたロシア歴史小説の傑作。
著者等紹介
プーシキン,アレクサンドル・セルゲーエヴィチ[プーシキン,アレクサンドルセルゲーエヴィチ] [Пушкин,Александр Сергеевич]
1799年モスクワ生まれ。ギリシア・ラテンの古典からフランス、イギリス、ドイツ、イタリア、スペインなどヨーロッパの過去の文学遺産をすべて取り入れながら、ロシアの国民性をその文学の中にくっきりと印した作品を達成し、現在でもロシアの詩聖として広く影響を及ぼしている。代表作『エウゲーニー・オネーギン』『ベールキン物語』など。1837年決闘で負った傷が元で死去。享年38歳
川端香男里[カワバタカオリ]
1933年東京生まれ。東京大学卒。パリ大学留学などを経て東京大学、中部大学教授、川村学園女子大学副学長を歴任。元・NHKラジオロシア語講座講師。現在、川端康成記念会理事長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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Miyoshi Hirotaka
22
同一言語の文学が長期間累積した世界でも稀有なわが国の文学。明治の開国とともに欧米文学を短期間に吸収した。この作品は、わが国で最初に翻訳されたロシア文学作品で、ロシア文学の大衆化路線の先頭を走った冒険活劇。最初の翻訳は1883年、二度目の翻訳は日露戦争中の1904年。この頃には、「日本は戦争には勝ったが、文学では負けた」といわれるぐらいロシア文学ブームになっていた。1915年には「士官の娘」という題で映画化。さらには1998年には「黒い瞳」という題で宝塚月組が演じた。ロシア文学にも大きな影響を与えた名作。2014/07/19
るな
2
ロシア革命から100年の今年、久しぶりにロシア文学に触れてみたいと思った。本作は日本で初めて翻訳されたロシア文学という意味で記念碑的作品だという。何故か10代の頃から私の「読みたい本リスト」に挙がっていて、プーシキンの名声に対する興味もずっと頭の片隅から消えることがなかった。「プガチョーフの乱」という史実に基づいて肉付けされた歴史ロマン。正義漢の主人公、可憐な想い人、恋敵、運命に翻弄される恋人たち…前時代的な設定が懐かしさを搔き立てる。2017/12/13
Mana
2
昔の本ってストーリーが素直な気がする。純情な娘のキャラクターが出てくると、つい本性が露呈みたいな展開を予想して読んでしまうけど、最初から最後まで良い人だった。褒め言葉がわざとらしいから振りかなって思ってしまったけど、全然振りじゃなかった。2015/08/07
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