目次
序章 ガガさんとの出会い
第1章 家族の肖像(祖父クリビンは“ロシア未来派の祖父”;「母、ときどき父…」;ジャンナ)
第2章 ガガさんの逆転ホーマー(マヤコフスキイ『南京虫』出版顛末記;KGBとシベリア行き;“プラウダ”の天使)
第3章 ガガさんイン・パリ(ガガさんのパリ・デビュー;オノレ・ドーミエとの約束)
著者等紹介
片山ふえ[カタヤマフエ]
大阪外国語大学ロシア語科卒。「ムーザ文化交流協会」代表。様々なイヴェントを通じて国際交流に努めている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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マリリン
34
本書を入手できた経緯も、読んだ時期も何かに導かれたかの感あり。豊富な絵やイラストに惹きつけられる。著者との出会いに絡んでいたのがドストエフスキイだったとは! 作中のガガさんの話、“「南京虫」出版の顛末“と“KBGの尋問”から、当時のソ連事情がリアルに伝わってくる。人民の敵の子と言われ、スケープゴートにされる。図書室にある解剖学の本が発禁。ソ連崩壊で得たもの、失ったものを冷静に見つめる視線。息子アリョーシャや祖父母父母の話に胸が熱くなる。困難な時代を生き抜いたガガさんや妻ジャンナの作品は力強くあたたかい。 2024/02/28
きゅー
14
本作のメインは画家のガガと親しくしている片山ふえが彼と交わした会話。あたかも小説を読んでいるかのように波乱万丈なガガとロシア人の人生が浮き彫りにされる。ところでマヤコフスキイ生誕80周年記念出版としてガガが『南京虫』の挿絵に関わったエピソードはまさに小説のようだ。あとは印刷をするだけというときに当局からストップが入る。普段から外国の人物と親しくしていたガガは政府筋から目をつけられており、この出版にも難癖をつけられてしまった。しかし、そこからのガガの奮闘はすごい。このエピソードはぜひ本書を読んでもらいたい。2017/04/07
relaxopenenjoy
6
「8号室―コムナルカ住民図鑑」から知った本。画家のゲオルギーコヴェンチューク(ガガ)さんとの交友を通じた、ガガさんのいろんなエピソード(聞き書き風)や家族(祖父や父母、妻、息子等)の話。筆者の文章もなかなか面白くクスっとなる。メモ 未来派。2023/11/06