内容説明
紅テント、アングラ、特権的肉体などの「神話」を問い直し、唐十郎という迷宮の演劇、文学、思想、アクトを解き明かす「いま」に差し出す画期的評論。
目次
第1章 「当て書き」という方法
第2章 サルトルから特権的肉体論へ
第3章 “肉体の時代”
第4章 上野・浅草サーガ
第5章 闘争と演劇
第6章 唐十郎と寺山修司
第7章 高度消費社会との対決
第8章 テントという方法
第9章 “もの”の逆襲
第10章 瓦礫と船出
著者等紹介
樋口良澄[ヒグチヨシズミ]
1955年生まれ。編集者。雑誌『現代詩手帖』、『文藝』などの編集に携わる。詩誌『ミて』に評論「モダニズムの失われた輪」を連載(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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mstr_kk
4
唐十郎に関するさまざまな論点について、かなり明確に書いているという点では、良書であると言えると思います。ただ、唐十郎について発見がもたらされるかといえばそうではなく、そういう意味では面白い本ではありませんでした。問題はいくつかあって、ひとつには、唐の創作を最初から特別視しすぎているせいで、批評になっていないこと。そして、同じことなのですが、おそらく扇田昭彦による唐十郎論の影響を受けすぎているせいで、唐を語る上での紋切り型に終始していることです。無償の饒舌が、またひとつ唐十郎をめぐって展開されてしまった感。2014/11/07
葛
0
著者:樋口良澄 2011年12月26日初版印刷 2012年1月6日初版発行 発行者:飯島徹 発行所:未知谷 組版:柏木薫 印刷所:ディグ 製本所:難波製本 カバー写真:首藤幹夫 定価:本体2000円+税2021/12/05