内容説明
ドキュメンタリー番組「螢の木」(1997年、テレビ西日本制作、フジテレビ系列放送、文化庁芸術祭優秀賞受賞)。一本の木に数万のホタルが輝く「螢の木」を探しにニューギニアへ。そして「螢の木」をきっかけに、ようやく重い口を開き、それぞれの戦争を語りはじめる生還者たち。波紋を投じた同番組のディレクターが現地取材の模様、またテレビで放映できなかった証言を含め、とりあげられることの少ない激戦地、東部ニューギニア戦線を祈りをこめて描く。
目次
第1章 ポート・モレスビー
第2章 蛍の鎮魂
第3章 蛍の木捜し
第4章 生還者が語る戦争の現実
第5章 白い炎
第6章 テレビ放送
第7章 戦争を伝える
著者等紹介
馬場明子[ババアキコ]
1973年県立福岡女子大学卒業後、テレビ西日本入社。アナウンサーを経て制作部ディレクターに。「螢の木」で芸術選奨新人賞受賞。他に、炭坑を舞台にした「コールマインタワー~ある立て坑の物語~」、チェルノブイリを取材した「サマショール」など、ドキュメンタリーを数多く手がける。現在、久留米大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぴっちゃん
2
第二次世界大戦、ニューギニアでの日本軍の戦いは悲惨を極め、戦死というよりは餓死で生還者は10%に満たないありさまだったそうだ。この本はテレビ西日本が制作した同題ドキュメンタリーの取材をまとめた本で、放送されなかった証言も入っている。ニューギニアにはホタルが集まって輝く1本の木があり、死んだ兵士の魂のようだということで、鎮魂の意を込めてのドキュメンタリー制作企画だったそうだ。あまりにも凄惨な事実に、ただもう二度とこんなことが起こってほしくない、起こしてはならないとしかことばが浮かばない。2021/02/15