内容説明
現代のロシア文学はすでに革命や政治そして神からも離れ個人の生活に潜むしがらみや軋轢を生々しくシリアスに描いている。私たちと同じ時代の感覚で…、同じように迷いながら…、現代ロシアの若者の感覚を活き活きと伝える短篇五作。
著者等紹介
アルテミエヴァ,ガリーナ[アルテミエヴァ,ガリーナ][Артемьева,Галина]
文学博士。モスクワにて外国人を相手にロシア語を教える。現在はヨーロッパ在住
水野典子[ミズノノリコ]
ロシア語通訳案内士
織田桂子[オダケイコ]
ロシア語通訳案内士(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ののまる
16
表題作「ピクニック」が一番好きだけど、どの短編も特に女性として苦い…。最後のアーリャみたいな女性がロシアにはたくさんいる、とあとがきに書いてあったので、ロシア女性が描く「ロシア女性」に興味が湧いた。2015/12/11
きゅー
11
5篇からなる短篇集。いかにも牧歌的なタイトルに騙されてしまったけれど、実は人間の弱さ、醜さがにじみ出る甘さのない物語だった。タイトルにもなっている「ピクニック」では弱者と強者が入れ替わるという人生の見通しのつかなさが、ほろ苦い結末へと至る。彼女の物語の主人公に共通するのは、人間としての不完全さだ。彼らは一見して他の人と同じように生き、時として成功している。しかし、その根底にあるのは独善性と、他人への無関心、自分への甘やかしだ。そのため、いざ危機的な状況に対面すると、人間としての底の浅さを露呈する。2015/10/15
Yoko Kakutani 角谷洋子/K
2
未熟な人間、弱い人間の心理をあぶり出していく作風なので読後感は切ない。大人になりきれない若者の彷徨を描いた『ユーザー』が心に残った。 “絶望に陥った人間を天は許してはくれない。”作者も絶望や偽善に溺れる心弱き人たちを仮借なき目差しで見つめている。2016/09/21
Lc
2
話にひねりがあって、オチがあって、少しぞっとする。「ピクニック」なんて、のどかなタイトルなのに、コワい。女の人コワい。2012/05/14
dumpty
2
「今ロシアで最も読まれている女性作家」の短編集。なるほど、ずい分軽くてさらりと読めました。2011/07/01
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- 洋書
- ballast




