内容説明
大正期、日本にまとまった形で初めて紹介された詩人北原白秋の翻訳は、日本の風土に根差す「マザー・グース」から「まざあ・ぐうす」となった―。『赤い鳥』誌上の白秋と西條八十のライバル関係、竹久夢二のマザー・グースの自詩への換骨奪胎、また、現地英国で行ったアンケート調査、歌い継がれるマザー・グースの母国での変遷等々、「日本」「現代イギリス」の二部構成で愛され続ける英国伝承童謡の謎に迫る。
目次
第1部 マザー・グースと日本(白秋とまざあ・ぐうす;夢二の抒情マザー・グース;したたかに生き延びるマザー・グース;訳詩の醍醐味―「創作」マザー・グース)
第2部 マザー・グースと現代イギリス(ナーサリィ・ライム革命;ナーサリィ・ライムの実態調査及び言語教育の中のライム)
著者等紹介
楠本君恵[クスモトキミエ]
山梨県生まれ。山梨大学学芸学部卒、早稲田大学大学院修士課程修了。英米文学を研究、現在、法政大学経済学部教授。日本ルイス・キャロル協会会員。沢登君恵のペンネームでも活躍。『翻訳の国の「アリス」』で第25回日本児童文学学会奨励賞、『金色の影』で旺文社児童文学翻訳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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