内容説明
外国人居留地の英国人に仕える千代吉。賭場で出逢った女と懇ろになるも主人の女だった―葛藤の末に彼が真に求めたものは絶対的主従関係、完璧なる主人像…横浜新開地ものの傑作。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
デルタアイ
2
本編自体は200pをきるくらいのかなりサクッとした容量ながら密度が凄い1冊だった ヨコハマの異人と下僕、そして妾に取り巻くゴロツキ達 霧笛の音が響く港町、潮風と様々な人種の混じる匂い 商売女たちや酒場の喧騒がまざまざと伝わってくるハードボイルドっぷり 大佛次郎 この作家に出逢えて良かった ☆9.02025/04/23
くまたろう
2
大佛次郎初読み。 時は明治。開港したばかりの横浜。外国人居留地(言葉通りの「関内」)と治外法権。荒っぽい強さが人を惹きつける千代吉が関係を持った女は、自分の英国人主人・クーパーの愛人だった…。 大佛次郎、こんなハードボイルドな小説を書いた人だとは知らなかった。今読んでも面白い。2019/10/11
うさぎ
2
横浜の元町にある、霧笛楼レストランが好きで、そこが舞台となっていると知って読んでみました。大佛次郎の本は初めてでしたが、言葉や表現がいかにもその時代を感じさせてくれ、霧笛が何を表すのかがわかったときは、またはっとさせられました。2016/07/08
あんころもち
2
父に奨められて読みました。きっと父は千代吉のような無鉄砲さに憧れていたのでしょう。何故か そんな気がしました。2012/10/24
バク
0
横浜、異人、居留地、酒、賭博、喧嘩、出会い、恋、葛藤。全体的に暗く、もやにかすむ瓦斯灯の明かり。 開港後の異国情緒豊かにえがかれた街、横浜で、主人公がハードボイルド❗すぎる。時代小説の分類になるのでしょうが、時代小説の枠からははみだしている感じです。 霧笛のなるシーンは秀逸です。2024/01/28