内容説明
吉野せいの作品と人生に寄り添い、女性ならではのひたむきな視点から読解した評論『裸足の女』。読者から多数寄せられた“もう一度、吉野せいと出会いたい!”との声に応え、その著者が厳選した14篇+短歌3首。
目次
雑誌『LE・PRISME』より
さいご
水石山
信といえるなら
暮鳥と混沌(抄)
白頭物語
梨花
梨花鎮魂(日記)
春
洟をたらした神
いもどろぼう
飛ばされた紙幣
老いて
私は百姓
青い微風の中に
著者等紹介
吉野せい[ヨシノセイ]
1899年福島県生まれ。少女時代は小説家になるのが夢だったが、詩人の三野混沌と結婚後、菊竹山での開墾生活に入った。夫の死後、草野心平らの励ましを受けて執筆活動を開始。その後、串田孫一編集の雑誌『アルプ』などに発表した作品を集めた短篇集『洟をたらした神』(1975年)で大宅壮一ノンフィクション大賞、田村俊子賞を受賞。1977年、78歳で死去
山下多恵子[ヤマシタタエコ]
1953年岩手県雫石町生まれ。高校教諭を経て、現在長岡工業高等専門学校非常勤講師。国際啄木学会理事。日本近代文学会会員。『北方文学』同人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ロピケ
1
著者の文章は、泥臭さを感じさせる言葉遣い、切迫感もあるけれど、決して重苦しいだけではなく、突き抜けた爽快さがあるように感じた。夫である混沌の死後に書かれた「さいご」、「水石山」、「信といえるなら」にそんな持ち味が出ているようで、著者が遠くから眺めた「濃藍一色の阿武隈山系」など描かれた情景と共に心に残った。次女の梨花を生後9カ月で亡くした後に書かれた「梨花鎮魂(日記)」は、喪失感や疲れ、ストレスから夢と現実の世界が入り乱れて、読んでいて重苦しいいけれど、そんな激しい思い(3月3日の記述はハッとさせられる。)2010/08/01
一読者
0
生々しい文章だと思った。2010/01/24
-
- 和書
- そそそそ