内容説明
宗教への熱狂と醒めた理性、倫理と自然、超自我とエロス…複雑に絡み合い迷路をなす賢治の内界―。練り上げられた作品を手がかりに極限のアイロニーに焦点を当て、童話という虚構から本然の衝動を抱えた実像を探る。
目次
第1部 鷹の息子(よだかの星―対人恐怖と理想主義;どんぐりと山猫―皮肉な教訓話)
第2部 社会生活(猫の事務所―集団の力学;蛙の消滅―友情の中身)
第3部 愛のかたち(土神ときつね―樹木を恋する詩人)
第4部 家族(貝の火―宮澤賢治の家族小説;虔十公園林―裏返しのオイディプス)
-
- 和書
- 十三階の血 双葉文庫