内容説明
高校の国語教師に飼われる活発なキジ柄の仔猫、マイケル。マンガWhat’s Michaelに因んで名付けられたのでメスだが好んでオスのふりをする。飼い主の感化か文学的教養に富み漱石をこよなく愛している。その妹ハンナは気立ては良いが些かノンビリ屋。漢字の勝手な変換遊びには姉に罵倒されるが、二匹はいつも一緒の仲良し。地方の小都市に住む姉妹猫の前に、謎に満ちたノラ猫美鈴かあさんの一人息子クロチビが現れる…一帯を支配する長老猫、その後釜を狙うイナセなオニイサン猫、鼻つまみの不良猫ツッパリ、マンションから出してもらえない血統書付きのベルナルドとその交際仲間etc.ノラ猫と飼い猫、周辺の人間たちの一年…。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
秋製
35
「マイケル」という名は、ある有名な漫画から付けられた名前である。高校の国語の先生のうちで飼われているマイケルとハンナの姉妹。姉妹はある日、「美鈴かあさん」と呼ばれるノラ猫とその子猫に出会います。姉妹に通称をもらったクロチビは、姉妹を中心に他の猫と触れ合いながら色々と学んでいきます。飼い猫、野良猫共に「猫のルール」というものがあるみたいです。長老猫のいう、「幸せな猫」の生き方。存在する「不幸な猫」長老猫によって明かされる「美鈴かあさん」の秘密と彼の行く末に対する想い。本当の名前を手にしたんだ、幸せに生きて。2013/06/12
宇宙猫
25
★★★ 子猫たちが主人公の猫視点での話。飼い猫にもノラ猫にもいろんな事情があり、何が幸せなのか猫たちも悩んでいる。国語の先生が飼い主なので沢山のタイトルが出てきたり、ぼんやりした妹の聞き間違いによる言葉遊びが楽しい。ただ、夏目漱石の解説が長くて飽きてくる。2017/03/02
りんか
1
猫を中心に回るお話と、それを取り巻く人々のお話の一冊目。 国語教師の飼い猫のマイケルとハンナ、野良猫で子猫のクロチビをはじめたくさんの猫が出てくるし、どの子も個性的で猫好きにはたまりません♪ 猫の視点と人間の視点で進む物語は読んでいて楽しかったです。 ものの数え方ひとつでも言い方が違ってくるので、日本語は難しいなぁと改めて思いました(笑)2012/06/18