内容説明
時は90年まえ、場所は四国八十八霊場第一札所の鳴門は板東。青島のドイツ軍俘虜千人を収容することとなった。収容所長は戊辰戦争で敗れた会津藩士の長男、処遇に武士の情けでのぞんだという。人が未だその身の丈で生きた時代、先進国ドイツと地元徳島の人々の間に深い交流が生まれた。人々は俘虜たちを「ドイツさん」と呼び、ドイツさんは創意と自主性に富んだ生活を送った。農業、工芸、建築、音楽など、さまざまな交流が広がった。ベートーヴェン「第九」の日本初演もこの地、この時のことであった。当時の友愛の交流を描くノンフィクション・ノベル。
著者等紹介
原田一美[ハラダカズミ]
1926年徳島県生れ。徳島師範学校本科卒業。以後県内の小、中学校で教職にたずさわり、徳島市、県の教育委員会などに勤務。1987年3月、徳島市富田小学校を最後に退職。現在は執筆を中心に活躍して、その講演には定評がある。日本児童文学者協会会員、徳島ペンクラブ会員。主な作品に『ホタルの歌』(第1回学研児童ノンフィクション文学賞受賞、全国学校図書館協議会課題図書)『出会いがあって』(第1回石森延男児童文学賞受賞)など多数。作品は毎日新聞、徳島新聞等主催の読書感想文コンクールの課題図書となっている。徳島県吉野川市在住
みやこうせい[ミヤコウセイ]
著述、写真など
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