内容説明
せせこましい私利私欲から離れ戦いや煩いからも遠い世界に人は人と自然とその美しさと直接に触れ合っている―「四又の百合」に象徴される美しいすき透った純白のものが心を貫き読む者の胸にしみわたり16点の木版画がその感動を増幅する。
著者等紹介
宮沢賢治[ミヤザワケンジ]
1896(明治29)年、岩手県花巻市生まれ。盛岡高等農林学校卒。近隣の貧しい小作農民たちの物心両面にわたる救済を期し、1926(大正15)年教員生活に終止符を打って羅須地人協会を設立、農民芸術の振興に邁進する。志半ばにして病を得、1933(昭和8)年早世。享年37歳。盛岡中学在学中より創作に励むが、22歳で初めての童話を執筆、以降、創作と農業指導に献身した
たなかよしかず[タナカヨシカズ]
1949(昭和24)年、東京都練馬区生まれ。武蔵野美術大学彫刻科卒
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感想・レビュー
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いくっち@読書リハビリ中
4
偉大な僧を迎えるにあたり嬉々とする村人や国王の姿を感じ取れる。仏に捧げる百合を探しに山へ行く大臣と百合を抱えた少年との会話が印象的。短い物語の最も伝えたい箇所なのだと思う。たなかよしかずさんの版画が素朴でありながら世界観を広げている。ヒームキャの河、ハームキャの城と相変わらずネーミングセンスが独創的だ。百合に「四又」とつく理由を調べてもわかりませんでした。2009/09/06
kanata
2
真摯な大蔵大臣と男の子。男の子はこの後、あこがれの人に会う。なぜ百合の花だったのか、なぜ男の子が持っていたのかは不思議だけど、あまり気にしなくてもいいんじゃないかと思った。2017/07/08