内容説明
ロシア民衆の精神の一部として生き続けるプーシキンだが、民話風物語詩の中の大傑作『金の鶏』は熱く燃える詩人の内面がそのまま反映して読む者と共振する。物語と挿絵と朗読と視覚と聴覚の交叉で、詩人の昂揚を称増しに再現する朗読CD絵本。
著者等紹介
プーシキン,A.[プーシキン,A.][Пушкин,А.С.]
19世紀ロシアの詩聖。ロシア近代文学を築く
ナザルーク,V.[ナザルーク,V.][Назарук,В.М.]
現代ロシアを代表する画家。民俗調が得意
みやこうせい[ミヤコウセイ]
エッセイ、批評他。仏伊でも出版
岸田今日子[キシダキョウコ]
75年、演劇集団「円」を芥川比呂志と設立。舞台、映画、TVに多数出演。また、児童演劇の企画に携わり、アニメ「ムーミン」他の声優。「金の魚」(未知谷)の朗読のほかCD、DVDも多い。著書、エッセイ、詩、童話等
ノルシュテイン,Y.[ノルシュテイン,Y.]
映画監督。アニメーションを芸術の極みに高める。「話の話」他で多数受賞
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感想・レビュー
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NAO
49
プーシキンの詩にナザルークの挿絵をつけたCD付き絵本。ダドン王が星占いの行者にもらった、平和なときはおとなしく戦の気配で暴れるという金の鶏。これで安泰と思いきや、金の鶏が暴れたことから、ダドン王に不幸が襲いかかる。金の鶏は、本当に戦いの気配を感じて騒いだのか。それとも、金の鶏が騒いだことが戦いの原因となったのか。そもそも、行者はなぜダドン王に金の鶏を託したのか。不思議で、妖しい民話風の物語詩。プーシキンの詩には、何ともいえない皮肉がこめられている。詩の朗読は、岸田今日子。2023/01/19
赤とんぼ
19
美しく、恐ろしく、悲しく。ここには実に多くの教訓があり、多くの悲劇があり、どこか滑稽でもある。そして、なぜか、どこにも優しい愛がない。あるのは、欲望と疑惑と怠惰と傲慢。それらを己の中にも見出して、ぞっとするのだ。金の魚と金の鶏。どちらも、プーシキンの名作。金の鶏、アニメやオペラにもなっているそうなので、そちらも見てみたい。2016/02/09
belle
5
図書館でロシアの棚を物色していたら、この本が目に入った。今年は酉年です。いかにも昔話のお決まりをたどるが、童話風でなく大人に教訓を聞かせるようだ。それは主な登場人物が老人二人に女王だからなのか。そして主役はもちろん金の鶏だ。2017/01/30
AZUKI
1
美しい。2014/07/02