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内容説明
プーシキンは三十八年にも満たない短い生涯でありながら、近代ロシア文学の父として光り輝く。ゴーゴリ、ドストエフスキイ、ツルゲーネフ、チェーホフ、ブローク、アフマートワ、ツヴェターエワ、オクジャワー…、後に続く多くの作家に称えられ、文学以外の芸術ジャンルにも多大な影響を及ぼしてきた。その霊感をとりわけ深く授けられたのがオペラだろう。民族色豊かな叙事的ファンタジー『ルスランとリュドミーラ』(グリンカ)、歴史的事件を雄渾に描ききる『ボリス・ゴドゥノフ』(ムソルグスキイ)、愛の運命を繊細にたどる『エヴゲーニイ・オネーギン』(チャイコフスキイ)、賭博の狂気に弄ばれる『スペードの女王』(チャイコフスキイ)、帝国の滅亡を軽やかに嗤う『金鶏』(リムスキイ=コルサコフ)。プーシキン原作による傑作五大オペラに、原作の香とステージの華やぎの違いを追い、プーシキンの煌めきとロシアの魂、そして何よりロシア・オペラの愉しさを謳う。
目次
序章 ロシア・オペラの霊感の泉、プーシキン
1 ルスランとリュドミーラ(グリンカ作曲)
2 ボリス・ゴドゥノフ(ムソルグスキイ作曲)
3 エヴゲーニイ・オネーギン(チャイコフスキイ作曲)
4 スペードの女王(チャイコフスキイ作曲)
5 金鶏(リムスキイ=コルサコフ作曲)
著者等紹介
田辺佐保子[タナベサホコ]
早稲田大学文学部大学院修了、ロシア文学専攻。津田塾大学、電気通信大学等非常勤講師
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感想・レビュー
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Kei
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読みごたえのある好著。グリンカのルスランとリュミードラ、ムソルグスキーのボリス、チャイコフスキーのエヴゲーニイ・オネーギンとスペードの女王、コルサコフの金鶏。それぞれについて内容の濃い紹介に、ちゃんと責任のある評論として成り立つレベル。日本での外国文学研究の雑多なレベルを考えると、ロシア文学をやる人達はレベルが高いな〜っていつも感じる。少々マニアックな分野なのかもしれないが、好きな人からしたら垂唾の内容。だって、メイエルホリドのスペードの女王なんて、気になってたまらんじゃないですかっ!!非常に良い本です。2012/09/10