内容説明
人が考えるとは?日々の生活の中で感覚的に抱いた問題を誤魔化すことなく意識化し、その意識を対話の内に展開して深化させる。つまり弁証法。その辿り着く先には哲学的概念がある。前著『哲学の授業』が哲学するための土台作り、「考える楽しみ」だとすると、本書は思考そのものを問題形式により個から公へ、「考える悦び」へとステップアップさせるための中級編。より論理的に、さらに思考を深める哲学修行の書。
目次
第1章 現実を哲学する(自己紹介とは何か;役者としての自分と現実の自分;幅と深さの兼ね合い ほか)
第2章 論理的に考える(大野晋著『日本語練習帳』;池上嘉彦著『記号学への招待』;三浦つとむ著『弁証法とはどういう科学か』 ほか)
第3章 哲学する姿勢(「教科通信を毎回出してほしい」という要望;「考える教育」の提言;価値観の違いを乗り越える ほか)
著者等紹介
牧野紀之[マキノノリユキ]
1939年、東京に生まれる。1963年、東京大学文学部哲学科を卒業。1970年、東京都立大学大学院を卒業。1960年の安保闘争の中で直面した問題と取り組み、ヘーゲル哲学を介して考える中で、生活を哲学する方法を確立した。明快な論理と平易な文章で知られる。ドイツ語教師としての活動の中で、関口存男(つぎお)氏のドイツ語学を受け継ぐ。言葉を科学するということを主張している。最近は教科通信を武器とした授業で教育活動にも新しい境地を拓く。メルマガ「教育の広場」などで社会的な発言も活発にしている
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