内容説明
1937年夏のクリミア…海辺で過ごす絵描きの両親と少年の一家、ワタリガラスのひなが巣から落ちてきた。オイレンシュピーゲルに因んで名はティルとネリ。少年マイと小ガラスたちティルとネリの一夏の出会い。母親は二羽の成長を、12歳の少年の眼で描く。少年は今、ロシア美術界の重鎮となった。母ヴェーラの掌編に今回、思い出も熱く瑞々しい挿絵を描き下し、日本語オリジナル版となった。
著者等紹介
フレーブニコワ,ヴェーラ[フレーブニコワ,ヴェーラ][Khlebnikova,Vera]
画家、作家。1890年ロシアのカルムイキヤ生まれ。カザンやペテルブルグの美術学校で学んだ後パリやフィレンツェに留学、絵画に加えて詩やエッセイにも手を染める。1916年帰国し新聞の風刺画家に。1941年モスクワで死去
ミトゥーリチ=フレーブニコフ,マイ[ミトゥーリチフレーブニコフ,マイ][Mitourich‐Khlebnikov,May]
現代ロシアグラフィック派の創始者ピョートル・ミトゥーリチと母ヴェーラの第一子として1925年モスクワに生まれる。父母の温かい愛と芸術の指導、ロシア未来派の代表的詩人である伯父フレーブニコフの精神的影響などで優れた芸術家となる。作品はロシアの主要美術館はもとより日本、ブルガリア、ドイツ、アメリカ等で収蔵されている
北川和美[キタガワカズミ]
ロシア語通訳・翻訳者。東京大学大学院博士課程修了。専攻は現代ロシア文学・文化
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