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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
14
共産主義を嘲笑ったジョークの数々。つまりひと昔前の作品……のはずなのに今読んでもこちらに鋭く突き刺さって来るのは何故だろう。考え過ぎかもしれないが、本書は正義となった資本主義や民主主義まで笑い飛ばす作品に満ちており、その資本主義の行き過ぎが新たな閉塞感を生み出す現代の日本にも突き刺さるからではないかと思う。こうした風刺が、下品になることなく描かれるポーランドの民度(嫌いな言葉だが)の高さについて考えさせられる。なかなか東欧の文学は面白い。今現在の日本を生きるヒントが隠されているようにも思え、強く励まされる2017/05/15
刳森伸一
4
不条理性と社会批判性(風刺性)が上手く混じり合ったショートショート集。不条理が極まって訳が分からなくなることもなく、風刺が強すぎてうんざりすることもなく、いい具合に交り合っていると思う。ポーランドが民主化された時期に書かれたことを反映して、民主化に戸惑う人々について多く書かれているのも特徴か。2016/10/11
timeturner
4
おかしくてがっはっはと馬鹿笑いしたあとで、強烈なブラックユーモアの毒が効いてきて、ひとりでシーンとしてしまう。こういうのはお気楽な環境では生まれない味だよね。2015/12/20
三柴ゆよし
4
以前なにかのアンソロジーで、抽斗を開けたら小人のカップルがいる話とか、電柱のかわりに人間が突っ立って伝言ゲーム式に電報を運ぶ話を読んで、この作家の存在は知っていた。カフカの断章みたいで好きな作風だったのでまとまった作品集を読んでみたが、意外と政治的な諷刺作品が多くて吃驚した。ソヴィエト崩壊前後の混沌とした政情に基づいたものが半数を占めているので、その辺の事情をある程度把握していないと、作品のすべてを楽しむことはできないような気もする。全体としてはgoodな感じ。2009/12/07
takao
1
ふむ2024/10/14