感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
mocha
69
バザールの片隅で自作の籠を売る猫。あまり売れないのに体が不自由な動物たちの面倒を見て、それでもにこにこ微笑んでいる。少し距離をおいて気にかけているヤン。おそらくはロシアの貧しい人々の写し絵なのだろう。厳しい冬と共に訪れる死。たくましく春の生を謳う動物たち。何事もなかったかのように季節はめぐる。あとがきに伺える作者の気難しさも、ロシアっぽく思えた。いつか掲載のレシピでピロシキを作ってみたい。2021/02/20
ワッピー
35
【寅年にネコ本を読もう】参加本で再読。「ネコのヤン」シリーズの一冊です。ある日、バザールのはずれで手編みの籠を売るネコと出会ったヤン。それを縁にときどき差し入れにいくと、そのネコがせっせと籠を作って、他の動物たちを養っていることがわかる。秋が去り、冬が来て、ヤンがピロシキを持って訪ねたとき、籠を作るネコの姿はなかった。しかし、初夏のある日、ヤンはまたなじみの動物たちをバザールに見いだした・・・。町田純氏の作品はユーモアと哲学あふれる「妙に寂しい」物語で、もっと知られてほしい、読んでもらいたいシリーズです。2022/05/10
みけ
8
ネコのヤンが主人公の小さな物語。バザールのはしっこで売れない籠売りを営む善良なネコと出会う。善良なネコのもとには、身体に不自由がある動物達が集まってくる。ヤンも優しく彼らを見守って、たまにピロシキなんかを差し入れする。寒い風景の中、少し温かい、でも淡々とした物語という印象。2018/11/09
てつろう
8
ロシアのどこかで暮らす猫の主人公『ヤン』の物語。短編集から切り抜いて集めたので、絵本の体裁を取っているが、内容は哲学的で難しい。ピロシキの作り方が出ているので食べたくなった2014/11/19
belle
7
神保町ブックフェスで「ヤンとカワカマス」を連れて帰ったのは、昨年の秋。次に「カワカマスのヴァイオリン」を読んだ。さて今年は?未知谷代表の方から直々に薦められたのはこちら。小さなバザールのはじっこ。訳あり動物たちの売り声の先にはネコの手で編まれた樺の木の皮の籠。ちょっと編み目がゆるいけど、なかなかよく出来ている。まじめなネコの編む行為とピロシキを作るヤンが交差し、喜びと悲しみの時間が流れた。2018/11/04