感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
踊る猫
10
書くことについて書くという問題意識、そして縦横無尽な語り口、注釈を多用する書き癖に例えば円城塔氏のような作家の作品を重ね合わせるのは頓珍漢だろうか。なかなか難解で一筋縄では行かない作品群に満ちており、こちらの目を白黒させるには充分だと思う。翻訳し辛い作家なのだと思うのでこうした果敢な試みに挑まれた訳者(たち)を応援したい反面、まだ生煮えの段階で刊行されたという物足りなさも。ハンガリーや東欧の歴史を知らないと厳しいところはあれど、つまらないというわけでもないのでイントロダクションとして読むのはやはり正解かも2017/05/08
Mark.jr
3
もっと読みたいので、国書刊行会とかから400ページぐらいで短編全集出して欲しいです。2023/07/13
きゅー
1
『ハーン=ハーン伯爵夫人のまなざし』を読んだ後だったのでがっかり。 2000年に開催されたシンポジウムのために慌てて刊行されたように感じた。 つまみ食い的な内容。2011/06/14
madhatter
1
ブダペストに関する著作を収めた作品集。難解。隠喩の洪水のような文章なのだが、それを理解していないと作品も理解できないのかもしれない。東欧の作家は、自らの痛みや複雑な感情を剥き出しの形で提示しない印象があるが、そのためか。しかし、書物を「理解できなくても構わない」「理解したい」の二つに分けるとすると、私にとってエステルハージは感覚的に、後者の引き出しに入る。長編作品の抜粋である「見えない都市」は、著者の都市に対するイメージを引用と隠喩の集積で描いた作品だが、その裏にあるものを自分なりに掴みたいと思った。2010/11/15