内容説明
ロシアの貴族文学者、レールモントフの代表戯曲を、満を持しての新翻訳で発刊。名作組曲「仮面舞踏会」(ハチャトゥリアン)の原作。19世紀ロシアの華やかな上流社交界を舞台に展開される愛憎劇、そして迎える、息を呑む結末とは。
著者等紹介
安井祥祐[ヤスイショウスケ]
1934年京都市で生まる。1946年同志社入学、1958年大阪外国語大学(今は大阪大学)ロシア語科卒業。1974年クリヤマ、ブラジル社長、1989年、クリヤマ、アメリカ、カナダ社長、1997年王子ゴム化成(株)社長、2004年退職。若い時から渡航歴多く、人生の殆どを開発輸入に携わり、世界各国を回った。退職後はロシヤ語翻訳に従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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藤月はな(灯れ松明の火)
26
『マスカラード』と言えば『オペラ座の怪人』の挿入曲と思いつくのですがまさか原作があったなんて驚きました。シャイクスピアの『オセロ』を彷彿とさせる上流社会界の愛憎劇。最後でオセロに対してデスモナータが不貞を犯していなかったと告げる真実部分までは緊迫感が合ってミステリー的とも言えます。ただ、訳が現代的すぎて戴けないのが残念。2013/10/13
刳森伸一
3
上流階級の華やかさの影にあるドロドロとした愛憎劇。誤解による不和が疑惑によって大きくなっていく。下手に書けばただのメロドラマになりそうなものだが、全くそうなっていないところは、流石レールモントフ。ただちょっと訳が軽過すぎる(現代日本的すぎる)かも。2013/05/31
みかん
1
上流社会の愚かさを描いた痛烈な作品に、ハチャトゥリアンのあの曲を重ねて読むとドロドロした情念があちらこちらから流れ込んでくる2017/08/06
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