内容説明
私たちは時代の曠野を迷い歩いてきた。時代のあまりにも大きな嵐に出会って、行き暮れている。しかし、今ならどこで最初に道を間違えたかが、よくわかる。20世紀のどん詰まりの今日は、「古い」出来事の積み重ねの上にあり、古きを訊ねる作業により初めてそれを実証し得るのだ。
目次
1 歴史の闇の中で―予感できなかった予感(戦争の罪責―日独の比較にならない比較 1990年;NATO40年目の亀裂―西独に高まる非核願望 1988年;西ドイツ・危機の中から新たな活力 1982年 ほか)
2 ドイツの激流―漂う眼の残像(激動する東ドイツの明日は―政治に習熟した国民が選ぶ歴史の「行き先」 1989年90年の東欧・激しく動く新政治勢力―西側は沈静化待つ寛容さを 1990年;宴のあとの「ドイツ問題」―「壁」を消滅させたドイツ人が辿る道とは 1990年 ほか)
3 ヨーロッパ不案内路―ロンドンから観察する(日本「産業空洞化」の裏側―英国で何が起きているか 1987年;ヨーロッパから見た日本―両文明圏の相互理解のために 1987年;ヨーロッパ人の安全保障観 1987年 ほか)
4 政治文化論の試み―新たなイメージからの出発(新しい故郷の創造を―21世紀への提案 1982年;大上段でなく、意志をもって―国際報道の新局面と可能性 1990年;ラジカルな議論を恐れない精神―戦後ドイツにおける政治教育 1994年 ほか)