目次
1 石(惑星;十力の金剛石 ほか)
2 リボン(リボンのように;風の灯台 ほか)
3 音(いっしょに歌う歌;おつきさま ほか)
4 ひとり(クーヨンの質問にこたえて;本は窓に似ている ほか)
5 ひかり(あたらしいノートへ;記憶の種子をついばみながら―なつかしい丘をのぼる ほか)
著者等紹介
片山令子[カタヤマレイコ]
詩人。1949年生まれ。詩集『贈りものについて』、詩画集『ブリキの音符』、絵本『たのしいふゆごもり』など、数多くの名作を著した。また、物語の執筆や絵本の翻訳も手がけた。1984年より2018年まで定期的に「ひかりのはこ」などの個人詩誌を発行した。2018年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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タピオカ
25
詩人の片山令子さんのエッセイ。「リボンのように」「さあ、残っているのは楽しいことだけ」「本は窓に似ている」「子供からの夢のほうこく」がお気に入り。優しい言葉に光や風や音楽を感じ、もっと日々を大事にしたいと思った。ご主人片山健さんの絵も好き。おふたりの『たのしいふゆごもり』の絵本から読み直してみよう。2020/02/06
mntmt
19
昨年の春、亡くなられていたなんて知りませんでした。とても綺麗な心を持った方です。2019/12/16
チェアー
12
子どもから学び、信じた言葉を綴った詩人。自分たちを天体、惑星に例えたエッセイは秀逸。適度な距離を保ち、見守ること。距離が一定であること。それが家族という存在だと。片山健の妻。北村太郎との関係も出てきて、私としては読み応えのあるエッセイ集だった。2020/02/08
belle
9
楽しいこと。嬉しいこと。悲しいこと。そして昔のこと。今のこと。片山令子さんの言う~くっつき過ぎないという引力を持って~惑星のように連なりまわる感覚が、ページをめくる私の指から体の芯に入りこんだ。特別な時間も何気ない日常も違っているようで、どれもみな大切だと気づく。チューリップ柄の靴下や白い服を買ったのは、この本のせい。いえ~何の理由もなく~。久しぶりにディヌ・リパッティの弾くショパンのワルツ集を聴いた。この本を読むことは、そっと泉のほとりにたたずむよう。何かが湧きあがり、自分の思い出と現在に向き合った。 2020/06/24
pirokichi
8
2018年に亡くなった詩人・片山令子さんのエッセイ集。以前読んだ『活発な暗闇』(江國香織編)で片山令子さんの詩に出会い、とても惹かれた。詩集を読みたくて探したけど手に入らなくて、でもうれしいことに昨年11月発行の本書に出会った。「本はやっぱりいいなと思います。いつでも開いてくれる扉があり、重みがあり、背中がまっすぐで、胸に抱えることができます。」の、「背中がまっすぐで」がすごく好き。「ほんとうはさよならはいえない。ひとびとと永遠が住んでいる空の時間の中では。」夫の絵本作家・片山健さんの挿画もいい。2020/12/04