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菫橋(菫橋;拝啓、川原君;お菓子のままで;りぼん;かび ほか)
対話 ぼれろ―柳本々々×竹井紫乙(ずれてゆく;なぞなぞ;ゾンビ)
著者等紹介
竹井紫乙[タケイシオト]
1970年大阪生まれ。1997年より川柳を始める。終刊まで『月刊川柳大学』会員。現在、びわこ番傘川柳会『川柳びわこ』会員。第一句集『ひよこ』2005年、編集工房円(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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あなた
2
この本の中でしおとさんと対談させてもらったけれど、途中私がへこたれているように見えたのか「さいごまで、さいごまで、ね」とふっと言われた。しおとさんが対談タイトルにつけた「ボレロ」はしおとさんの世界観にふさわしく、どんな状況であってもとりあえず最後までゆこう、という気迫が感じられる。「種を取る君は私じゃないけれど」大好きな句だが、ケアしあう関係でありながら、私と君はどこまでいってもなれあわずひとりとひとりでいきていく、といったようなムーミン谷のような厳しいやさしさ、というか愛がある。現代川柳って愛なんですね2021/12/01
ひじき
1
川柳の句集。こういう感想でよいのかわからないけれど、怖い。ふと見たら部屋の中に死体が転がってる感じ。でもその死体(死体じゃなくてもいいが)は概念であって血が流れていたりするわけではないのがよけいに怖い。しかも怖がっているのは自分だけで、周りに言ったら当たり前じゃん?みたいな薄い反応をされてさらに怖い。そういう怖い。「拝啓、川原君」などはとくにそんな感じがする。淡々と軽やかに日常と異物を置き換えているというか。巻末に柳本々々氏との対談があり、川柳だけでなく短詩全体の見方に少しヒントをくれる内容でよかった。2020/02/23