胞子文学名作選

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  • サイズ B6判/ページ数 350p/高さ 19cm
  • 商品コード 9784896292664
  • NDC分類 918
  • Cコード C0093

内容説明

大好評『きのこ文学作選』の姉妹編。苔、羊歯、きのこ、カビ、麹、海藻…「胞子」をテーマにした小説や詩を収録。

目次

「苔について」永瀬清子
「原稿零枚日記」抄 小川洋子
「魚服記」太宰治
「俳句」松尾芭蕉
「俳句」小林一茶
「苔やはらかに。」伊藤香織
「交合」谷川俊太郎
「胞子」多和田葉子
「俳句」野木桃花
「アレルギー」川上弘美
「苔」尾崎一雄
「大手饅頭」内田百〓(けん)
「海草の誇」河井酔茗
「黴」栗本薫
「春 変奏曲」宮沢賢治
「カビ」佐伯一麦
「短歌」前川佐美雄
「幽閉」井伏鱒二
「第七官界彷徨」尾崎翠
「苔」金子光晴

著者等紹介

田中美穂[タナカミホ]
1972年、岡山県生まれ。倉敷市の古本屋「蟲文庫」店主。「岡山コケの会」事務局、日本蘇苔類学会員(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。

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感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

コットン

139
胞子・苔系の小説や詩のアンソロジー。ブックデザインが素晴らしい!豊富な紙質と色、そして変わった装丁が素敵。内容も小川洋子:「原稿零枚日記(妙)」ルーペでシャーレをのぞき込みながらの苔料理の話が興味深い。名作の尾崎翠:「第七官界彷徨」があったり、栗本薫の「黴」の状況設定が面白かった。2014/04/15

アキ・ラメーテ@家捨亭半為飯

62
岡山の古書店蟲文庫の店主でもあり、苔や亀についての本も出されている田中美穂さんの選による胞子文学アンソロジー。まず、装丁が美しい。一章ごとに紙や活字まで変え、イラストや写真なども盛り込んだ凝った作りの見て楽しい、読んで楽しい一冊。選ばれているのは、詩、俳句、SF、純文学まで幅広く、登場する胞子も、苔、羊歯、きのこ、カビなど様々。『原稿零枚日記』や『幽閉』『交合』『黴』など、不思議な胞子生物の世界を感じる作品が多く、読んでいるといつの間にかそんな胞子生物に魅了されてしまいそうだ。2015/11/09

藤月はな(灯れ松明の火)

60
同出版社で出版された『きのこ文学名作選』と同じく、装丁、ページ、フォントに拘った造りに胸がときめきます(笑)栗本薫さんの全てが黴に覆われて養分化し、死滅する日本を背に北へ向かう抗体者の姿が印象的な『黴』は格好良いです。そしてThe胞子文学な尾崎翠さんの『第七官界彷徨』は何度、読んでも絶品だな・・・。自然の静かな同着とそれが人間に付随すると恐怖へと変わる小川洋子さんの『原稿零枚日記』や感情が停止するような諦観からの光を描いた関西弁が優しい、伊藤香織の『苔やはらかに』も心に沁み渡りました。2014/07/19

らぱん

47
鎌倉の小さな出版社「港の人」の発行で「きのこ文学名作選」の姉妹編。一番の特徴は凝った造本にある。作品毎に紙やフォントを変え、さらに内容に合わせて文字の印刷や紙が変わっていく。物流の緩衝材めいたボコボコした紙や半透明の紙なども使われ、意匠の優先による読みにくさも愉しみの内という20編のアンソロジー。編者は苔の専門家らしい。「胞子とはある種の生物が繁殖のために使う細胞のこと」で、苔や羊歯、藻や海藻、茸や黴や地衣類などが、人類誕生の遥か昔より胞子を放ち命を繋いでいる。謎が多く胡散臭い存在感が魅力だ。↓2019/08/24

マリリン

41
凝りに凝った装丁を味わい、未読の作者の作品も楽しんだ名作選。一番印象に残り好みだったのは栗本薫の「黴」。じわじわと蟻地獄を思わせる感がよい(感染症か?)途中から紙質が変わり読みにくいが他の作品も読んでみたい。井伏鱒二の「幽閉」、尾崎一雄の「苔」、川上弘美の「アレルギー」、金子光晴の「苔」...以上作者の作品初読みだがいずれも面白かった。独特な文体が胞子文学に似合う和多田葉子の「胞子」もよい。太宰治の「魚服記」、谷川俊太郎の「咬合」なども。どんな環境下でも静かに蔓延りそうな胞子。「きのこ文学名作選」姉妹編 2023/09/12

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