感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Mark.jr
2
チェーホフなどのロシア文学の翻訳家として著名な神西清氏。そんな氏の小説作品は、チェーホフらしいウィットの利いたユーモアものかというとそうではなく、短編ながらもズッシリとしたゴリゴリの日本文学です。あえて旧仮名遣いのまま収録されたその格調高い美文が、三島由紀夫や中村真一郎などの名うての読み手の心を捉えてきたのかと考えたり。2020/07/15
かがみん
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チェーホフの訳者と言えばこの人。病から恢復していく少女の心情を綴った「恢復記」、商館を舞台にした「灰色の眼の女」、三島由紀夫らが激賞した「雪の宿り」が個人的に気に入った。訳者・神西清を作家・神西清として見直すのに、これ以上の一冊は無い。2012/02/02