感想・レビュー
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きさらぎ
4
朱熹が宋学の淵源とみなす人々の事蹟を編纂した本の抄録。人品高く「胸中洒落の人」周溓渓、春風のような程明道、厳格な伊川。王安石は概ね彼らと合わなかったが、溓渓とは夜通し語り合ったし、穏やかな明道とは厳しい対立はしなかった。明道の年子の弟伊川は峻厳で、安石とも蘇軾とも衝突する。弟子からは「従容さを欠く」と評された。兄明道に「道理を以て人を導く正しいあり方を確立するのはお前だが、後進を指導しその能力を生かす事ではお前に劣らない」と語った明道。身びいきも憚らず弟を推挙した明道は、弟をとても愛していたんだろうな。2019/01/31