出版社内容情報
蒙斎(1807‾66)肥後の人。千手謙斎門には入り闇斎学を学び、熊本藩儒・郷学師・藩学の訓導となる。端山(1828‾83)一斎・訥菴に師事し学風は闇斎の流れを汲む。版籍奉還後、平戸藩の権大参事となる。
難波 征男[ナンバ ユキオ]
著・文・その他
岡田 武彦[オカダ タケヒコ]
著・文・その他
宇野 精一[ウノ セイイチ]
監修
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ゆうきなかもと
5
実は、日本にはこんな思想家たちがいた。『宇宙の生意に根ざす「万物一体の仁」』を、「静坐」という実践を通して体認するという朱子学者たちが確かにいたのだ。朱子学といえば、思弁的かつ道徳的なイメージが先立つが、身体的な側面を持つ系譜が確かに存在した。仏教における禅宗の如き、身体性を伴う実践の伝統と系譜が儒学にもあったのだ!本書は、大変、知的に刺激的であると同時に、刺激の多いこの世の中において、まず落ち着くこと、冷静たることを教えてくれる一冊という意味でも大変有意義な一冊だと思う。2024/05/05