内容説明
ユダヤ教、キリスト教、イスラム教、三つの一神教の聖地エルサレム。この町に免れようもない歴史を背負って暮らす、ユダヤ人、アラブ人をはじめとする人びとの息遣いと苦悩を映す。若くしてイスラエルに出会い、ヘブライ文学の研究・翻訳に携わりながら、かの国の変貌に目を凝らしてきた著者の、書き下ろし短篇集。
1 ~ 1件/全1件
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
100名山
2
9編の短編小説からできています。 著者は永年現地で活動をしていた人のようです。 9編のうち「エル・タージュ家の館」はパレスチナ人が主人公でしたが、「ハイファに戻って」の焼き増しのような小説。 読み返して確認はしていませんが、あとはユダヤ人が主人公だったと思います。 しかも良心のあるユダヤ人として描かれます。 紙は厚いし、値段は高いし、どうかなと思います。 ただ、内側から見たであろうエルサレムの生活風景は一読の価値はあります。 ホロコーストはあっても、ナクバを生き延びたパレスチナ人の視点の欠落が問題です。 2018/09/19
たいたいぶん
1
著者は作家というよりかはヘブライ語の翻訳者のイメージが強い。そんな著者がイスラエルにいた頃を思い出しながら書いた短編集なのだろうが、その詳しい記述がエルサレムの街並みを容易に想像させてくれる。イスラエルではこの時よりさらに右傾化が進んでいるイメージがあるが、今でも「メア・クルパ」のミミのような冷静に物事を見て警鐘を鳴らしてくれる人はいるのだろうか。そんなユダヤ人の幸福と罪を感じさせられる「メア・クルパ」と家を奪われたアラブ人が遠慮がちに家を見に行く「声をなくした少女」が印象的だった。2025/07/27
愛希穂
0
後で2018/12/25
-
- 洋書電子書籍
- Interpretation in C…