内容説明
本書は、第二次世界大戦中に日本軍の性的被害を受けた、ひとりの「ロラ」が絵にした証言です。「ロラ」というのは、フィリピンの言葉で「おばあさん」を意味します。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
菱沼
1
拉致されて日本兵の性奴隷にされる。「慰安婦」は民間のしたことだから国に責任はない、という国会答弁が過去にあった。14歳で日本軍に拉致され、レイプと暴力で気力体力を奪われたフィリピンの少女が、70を過ぎてようやく当時を語る心持になれた。戦後巡り会えた両親は「恥ずかしいことだから誰にも言うな」と彼女に釘をさした。恥ずかしいことをしたのは少女ではなく、日本兵だったのだけれど。それが「恥」でなければ、国会で嘘をつくこともなかったはず。彼女の描いた絵と手書きのタガログ語、日本語訳、英訳が併記されている。2024/08/21