• ポイントキャンペーン

ヒトの分子遺伝学 (第3版)

  • ただいまウェブストアではご注文を受け付けておりません。
  • サイズ A4判/ページ数 789p/高さ 28cm
  • 商品コード 9784895924245
  • NDC分類 467.2
  • Cコード C3047

出版社内容情報

《内容》 “ヒト”に焦点を当てた遺伝子・ゲノム知識の集大成。断片的になりやすい最新知見を原理や基礎知識・技術とみごとにからめ、体系的なストーリーとして世に送る。バイオインフォマティクス、細胞と発生に関する章を追加し、分子系統学や比較ゲノム学、遺伝子治療の解説が充実。図はフルカラー化。生活習慣病、感受性遺伝子をはじめ、疾患と遺伝子との関係を解き明かす。入門者も専門家も必読のNo.1テキスト。    

《目次》
PART.1 DNAと細胞の基礎 1
Chapter.1 DNAの構造と遺伝子発現 3
1.1 DNA,RNA,ポリペプチドの構成単位と化学結合
1.2 DNAの構造と複製
1.3 DNAの転写と遺伝子発現
1.4 RNAプロセシング
1.5 翻訳と翻訳後プロセシング,およびタンパク質の構造
Box 1.1 水素結合----核酸とタンパク質における重要な役割
Box 1.2 DNA複製機構にかかわるおもなタンパク質
Chapter.2 染色体の構造と機能
2.1 倍数性と細胞周期
2.2 染色体の構造と機能
2.3 細胞分裂:体細胞分裂と減数分裂
2.4 ヒトの染色体の研究
2.5 染色体異常
Box 2.1 紡錘体とその構成要素
Box 2.2 染色体バンド法
Box 2.3 ヒト染色体に関する用語
Box 2.4 染色体異常に関する用語
Chapter.3 細胞と発生
3.1 細胞の構造と多様性
3.2 細胞間相互作用
3.3 発生の概略
3.4 発生過程における細胞の特殊化
3.5 発生におけるパターン形成
3.6 形態形成
3.7 ヒトの初期発生:受精から原腸形成まで
3.8 神経の発達
3.9 発生過程の保存性
Box 3.1 動物細胞の構造
Box 3.2 細胞骨格:細胞運動と細胞形態の鍵となり,細胞内輸送の道筋をつける
Box 3.3 発生のモデル動物
Box 3.4 ヒト胚における双生児形成
Box 3.5 ヒトの組織はどこに由来するのか----哺乳類の発生の階層性
Box 3.6 ヒト細胞の多様性
Box 3.7 哺乳類胚に極性を与える----シグナル分子と遺伝子産物
Box 3.8 胚体外膜と胎盤
Box 3.9 性決定:遺伝子と環境による発生の制御
Chapter.4 家系と集団における遺伝子
4.1 一遺伝子遺伝と多因子遺伝
4.2 家系図に現れるメンデル遺伝
4.3 メンデル遺伝の基本パターンの複雑化
4.4 多因子形質の遺伝学:多遺伝子閾値理論
4.5 遺伝子頻度に影響する因子
Box 4.1 メンデル遺伝のパターンの特徴
Box 4.2 2つの劣性形質が対立遺伝子によるものか否かは,相補性試験により決定することができる
Box 4.3 平均への回帰に関する2つの誤解
Box 4.4 分散の分割
Box 4.5 ハーディ-ワインベルグ平衡状態における遺伝子型頻度
Box 4.6 ハーディ-ワインベルグ分布から保因者頻度と基本的な危険率を計算することができる
Box 4.7 突然変異と選択の平衡
Box 4.8 嚢胞性線維症のヘテロ接合体に有利な選択
Chapter.5 DNAの増幅:細胞を用いたDNAクローニングとPCR
5.1 DNAクローニングの重要性
5.2 PCR:基礎的な概念とその応用
5.3 細胞を用いたDNAクローニングの原理
5.4 DNA断片の長さに応じて使い分ける各種ベクター
5.5 一本鎖DNAと変異DNAを調製するためのクローニング
5.6 遺伝子の発現を目的としたクローニング
Box 5.1 各種のPCR法
Box 5.2 制限酵素と修飾制限系
Box 5.3 ナンセンスサプレッサーを生じる塩基置換
Box 5.4 配列タグ部位の重要性
Box 5.5 動物培養細胞への遺伝子の導入
Chapter.6 核酸ハイブリダイゼーション
6.1 核酸プローブの調製
6.2 核酸ハイブリダイゼーションの原理
6.3 DNAクローンをプローブとした核酸集団のスクリーニング
6.4 クローニングされた標的DNAを用いたハイブリダイゼーションとマイクロアレイ
Box 6.1 オートラジオグラフィーの原理
Box 6.2 蛍光標識とその検出法
Box 6.3 核酸ハイブリダイゼーションに関する用語集
Box 6.4 核酸ハイブリダイゼーションの標準的な方法と逆法
Chapter.7 DNAと遺伝子の構造,変異,発現の解析
7.1 DNAの塩基配列と遺伝子型の決定法
7.2 DNAクローン内の遺伝子の同定とその構造解明
7.3 遺伝子発現の解析
Box 7.1 DNA塩基配列決定に用いる一本鎖鋳型の調製法
Box 7.2 簡単な遺伝子多型タイピング法で検出できる一般的なDNA多型
Box 7.3 データベースのホモロジー検索
Box 7.4 抗体作製法
PART.2 ヒトゲノムと他の生物のゲノム
Chapter.8 ゲノムプロジェクトとモデル生物
8.1. ゲノムプロジェクトのはかりしれない重要性
8.2 ヒトゲノムプロジェクトの背景と組織
8.3 ヒトゲノムはいかにしてマッピングされ,塩基配列決定されたか
8.4 モデル生物のゲノムプロジェクト
Box 8.1 ゲノム学用語集
Box 8.2 ヒト遺伝子とDNA配列の命名法
Box 8.3 ヒトゲノムのマッピングと塩基配列決定の歴史におけるおもな出来事
Box 8.4 ハイブリッド細胞マッピング
Box 8.5 クローンコンティグを用いた物理的地図の作成
Box 8.6 ゲノムプロジェクトにおける協力,競争,論争
Box 8.7 単細胞モデル生物
Box 8.8 発生,疾患,遺伝子機能の理解に役立つ多細胞モデル動物
Chapter.9 ヒトゲノムの構成
9.1 ヒトゲノムの一般的な構成
9.2 ヒトRNA遺伝子の構成,分布および機能
9.3 ヒトのポリペプチドをコードする遺伝子の構成,分布および機能
9.4 非コードDNAの縦列反復配列
9.5 非コードDNAの分散型反復配列
Box 9.1 ヒト細胞におけるゲノムコピー数の多様性
Box 9.2 ミトコンドリアゲノムの限定的な自律的発現
Box 9.3 DNAメチル化とCpGアイランド
Box 9.4 真核生物の細胞質tRNAのアンチコドンの特異性
Box 9.5 ヒトゲノムとヒト遺伝子についての統計データ
Chapter.10 ヒト遺伝子の発現
10.1 ヒト細胞における遺伝子発現の概要
10.2 遺伝子発現の制御:トランス作用性タンパク質因子のシス作用性調節配列への結合
10.3 遺伝子の選択的な転写とプロセシング
10.4 選択的遺伝子発現:DNAメチル化などのエピジェネティックな機構による非対称性と永続性
10.5 遠位からの遺伝子発現制御とゲノムインプリンティング
10.6 Ig遺伝子およびTCR遺伝子の構成と発現の独自性
Box 10.1 哺乳類細胞における遺伝子発現の時間的・空間的制限
Box 10.2 ポリペプチドをコードする遺伝子の転写調節に関与する各種のシス作用性配列
Box 10.3 選択的スプライシングによって起こるタンパク質の機能特性の変化
Box 10.4 ヒト細胞における2対立遺伝子性遺伝子の1対立遺伝子性発現の機構
Box 10.5 母方ゲノムと父方ゲノムは同等ではない
Chapter.11 ヒトゲノムの不安定性:突然変異とDNA修復
11.1 変異,多型,およびDNA修復の概説
11.2 単純な突然変異
11.3 反復配列間の配列交換を引き起こす遺伝的機構
11.4 疾患を引き起こす変異
11.5 反復配列が疾患を引き起こす可能性
11.6 DNA修復
Box 11.1 遺伝子多型とその他の配列変異の分類
Box 11.2 集団における対立遺伝子頻度を変化させる機構
Box 11.3 ポリペプチドをコードするDNAでの一塩基置換の種類
Box 11.4 突然変異率の性差と男性主導の進化に対する疑問
Chapter.12 生命の進化系統樹におけるヒトの位置
12.1 遺伝子構造と重複遺伝子の進化
12.2 染色体とゲノムの進化
12.3 分子系統学と比較ゲノム学
12.4 われわれをヒトたらしめているものは何か?
12.5 ヒト集団の進化
Box 12.1 イントロンの分類
Box 12.2 対称性のあるエキソンとイントロンの相
Box 12.3 遺伝子重複の機構と相同性
Box 12.4 全生物の進化系統樹と水平遺伝子伝播
Box 12.5 後生動物に共通な系統分類群と用語の解説
Box 12.6 合祖解析
PART.3 疾患遺伝子と突然変異のマッピングと同定
Chapter.13 メンデル遺伝形質の遺伝的マッピング
13.1 組換え体と非組換え体
13.2 遺伝マーカー
13.3 2点マッピング
13.4 多点マッピングは2点マッピングよりも効率的である
13.5 拡張した家系と祖先ハプロタイプを用いた詳細マッピング
13.6 標準的なロッドスコア解析に問題がないわけではない
Box 13.1 ヒトの遺伝マーカーの発展
Box 13.2 情報性がある減数分裂と情報性がない減数分裂
Box 13.3 図13.6の家系についてのロッドスコアの計算
Box 13.4 連鎖の閾値についてのベイズの計算
Chapter.14 ヒト疾患遺伝子の同定
14.1 疾患遺伝子同定の原理と戦略
14.2 位置情報に依存せずに疾患遺伝子を同定する
14.3 ポジショナルクローニング
14.4 染色体異常の利用
14.5 候補遺伝子の確認
14.6 さまざまな方法による疾患遺伝子の同定:8つの例
Box 14.1 転写地図の作成法:データベース解析を補足し,ゲノムクローン内で発現している配列を同定するために実験室で行いうること
Box 14.2 マウス遺伝子のマッピング
Box 14.3 染色体異常の存在を示唆する現象
Box 14.3 位置効果----疾患遺伝子同定の落とし穴
Box 14.5 CGH法:普通の顕微鏡では観察できない染色体不均衡を検出する
Chapter.15 複雑な疾患の遺伝的マッピングと同定
15.1 非メンデル遺伝形質が遺伝性であるか否かを決定する:家族研究,双生児研究,養子研究の役割
15.2 分離解析:純粋なメンデル遺伝形質と純粋な多遺伝子形質の間に位置づけられる形質の解析
15.3 複雑な形質の連鎖解析
15.4 関連研究と連鎖不平衡
15.5 感受性対立遺伝子の同定
15.6 複雑な疾患の遺伝子解析の成果:8つの実例
15.7 概観と要約
Box 15.1 分離比の補正
Box 15.2 連鎖不平衡の尺度
Box 15.1 伝達不平衡検定:マーカー対立遺伝子M1が疾患と関連しているか否かを決定する
Box 15.4 罹患同胞対または伝達不平衡検定の検定力----全ゲノムスキャンによって疾患感受性遺伝子座を見出すのに必要な試料の数
倫理Box1 アルツハイマー病,アポE検査,そして差別
Chapter.16 分子病理学
16.1 はじめに
16.2 対立遺伝子Aおよびaという表記法は簡便だが、DNA配列の多様性を表現しない
16.3 突然変異の大分類:機能喪失性変異と機能獲得性変異
16.4 機能喪失性変異
16.5 機能獲得性変異
16.6 分子病理学:遺伝子から疾患へ
16.7 分子病理学:疾患から遺伝子へ
16.8 染色体異常の分子病理学
Box 16.1 突然変異のおもな分類
Box 16.2 配列変化を記載する用語
Box 16.3 対立遺伝子の効果を記述する用語
Box 16.4 ヘモグロビン異常症
Box 16.5 塩基配列の変化が疾患をもたらすような影響をもつかを判断するための指針
Box 16.6 プラダー-ウィリー症候群とアンジェルマン症候群の分子病理
Chapter.17 がんの遺伝学
17.1 はじめに
17.2 がんの発生と進展
17.3 がん遺伝子
17.4 がん抑制遺伝子
17.5 ゲノムの安定性
17.6 細胞周期の制御
17.7 まとめ:がん化の経路とがん化能
17.8 現在の知見をどのように役立てるか
Box17.1 逐次(連続的な)変異を起こりやすくする2つの機序
Chapter.18 個人および集団を対象とした遺伝学的検査
18.1 はじめに
18.2 検査試料の選択:DNA,RNA,タンパク質
18.3 遺伝子の変異を調べる
18.4 特定の塩基配列変化を調べる
18.5 遺伝子追跡
18.6 集団スクリーニング
18.7 DNAプロファイリングによる個人の同定や血縁関係の決定
Box 18.1 多重増幅プローブハイブリダイゼーション
Box 18.2 処理能力の高い2種類の遺伝子多型タイピング法
Box 18.3 遺伝子追跡の論理
Box 18.4 確率を組み合わせるためのベイズの定理
Box 18.5 訴追者の誤謬
PART.4 新しい地平線----21世紀に向けて
Chapter.19 ゲノムプロジェクトの次にあるもの:機能ゲノム学,プロテオミクス,バイオインフォマティクス
19.1 機能ゲノム学の概観
19.2 配列の比較による機能的アノテーション
19.3 網羅的なmRNAプロファイリング----トランスクリプトミクス
19.4 プロテオミクス
19.5 まとめ
Box 19.1 グルコキナーゼの機能
Box 19.2 遺伝子発現を網羅的に解析するための配列サンプリング技術
Box 19.3 タンパク質チップ
Box 19.4 プロテオミクスにおける質量分析
Box 19.5 タンパク質構造の決定
Box 19.6 タンパク質構造の分類
Chapter.20 細胞と動物個体の遺伝子操作
20.1 遺伝子導入技術の概観
20.2 遺伝子導入の原理
20.3 遺伝子導入を用いた遺伝子の発現と機能の研究
20.4 遺伝子導入や遺伝子ターゲティングによる疾患モデルの作製
Box 20.1 動物培養細胞に遺伝子を導入する方法
Box 20.2 動物細胞に対する選択マーカー
Box 20.3 哺乳類の胚性幹細胞の単離と操作
Box 20.4 動物細胞の研究に用いられるレポーター遺伝子
Box 20.5 遺伝子導入による突然変異誘発に用いられる巧妙なベクター
Box 20.6 ヒト疾患モデルとなりうる動物
Chapter.21 疾患の新しい治療法
21.1 遺伝病の治療は疾患の遺伝子治療とは異なる
21.2 遺伝病の治療
21.3 既存の治療法を改良して従来の治療に新たな展開をもたらすべく,
遺伝学の知識を利用する
21.4 遺伝子治療の原理
21.5 標的細胞や標的組織に遺伝子を挿入して発現させる方法
21.6 細胞内または組織内の病因性遺伝子を修復あるいは不活性化する方法
21.7 ヒト遺伝子治療の試行例
Box 21.1 遺伝子治療に関する1995年のNIH パネル報告(Orkin-Motulsky report)
倫理Box1 ヒトクローン化に関する倫理
倫理Box2 生殖細胞系列の遺伝子治療と体細胞の遺伝子治療
倫理Box3 デザイナーベビー

内容説明

医学における分子遺伝学の重要性は今さらいうまでもないが、特に今世紀初頭における「ヒトゲノムプロジェクト」の達成(全塩基配列の決定)によって、それは飛躍的に増大した。今やヒトゲノムのどの地点(位置)の塩基配列も、コンピュータ上に見ることができる。しかし、ヒトの遺伝子のすべてがわかったわけではなく、その構造や機能はこれからの解析に待たねばならないが、これらの解析も急速に進みつつあり、そのほとんどが明らかにされる日も遠い未来のことではない。ヒトの疾病と遺伝子との関係も、今までとは比較にならないスピードで明らかにされつつある。それらがどのように解析されて、明らかにされるのかが、本書に詳しく、かつわかりやすく述べられている。

目次

1 DNAと細胞の基礎(DNAの構造と遺伝子発現;染色体の構造と機能;細胞と発生)
2 ヒトゲノムと他の生物のゲノム(ゲノムプロジェクトとモデル生物;ヒトゲノムの構成;ヒト遺伝子の発現;ヒトゲノムの不安定性:突然変異とDNA修復;生命の進化系統樹におけるヒトの位置)
3 疾患遺伝子と突然変異のマッピングと同定(メンデル遺伝形質の遺伝的マッピング;ヒト疾患遺伝子の同定;複雑な疾患の遺伝的マッピングと同定)
4 新しい地平―21世紀に向けて(ゲノムプロジェクトの次にあるもの:機能ゲノム学、プロテオミクス、バイオインフォマティクス;細胞と動物個体の遺伝子操作;疾患の新しい治療法)