出版社内容情報
《内容》 気道管理は、救急・麻酔領域における医療行為の基本中の基本。決して“名人芸”であってはならないもの。本書は、より的確な判断と挿管技術を求められる“緊急時”に焦点をあて、背景理論の十分な理解と理論に裏打ちされたテクニックを簡明に提供する。“現場で実地に学ぶもの”を覆し得る待望の解説書。基本的な気道確保にも通じる内容であり、入門テキストとしても価値が高い。
《目次》
第I部 気道へのアプローチ
1 挿管の決断
I.挿管の適応
II.患者へのアプローチ
2 急速挿管
I.定義
II.適応および禁忌
III.手技
IV.RSI各手順のタイミング
V.成功率と合併症
VI.急ぎのRSIおよび超RSI
VII.コツとポイント
3 緊急気道管理アルゴリズム
I.基本的緊急気道管理アルゴリズム(“メイン”アルゴリズム)
II.クラッシュ気道アルゴリズム
III.困難気道アルゴリズム
IV.気道管理不全アルゴリズム
V.まとめ
4 気管チューブ位置の確認
I.気管へ挿管されたことの確認
II.推奨される方法
5 困難気道と気道管理不全
I.気道管理困難
II.困難気道への臨床的アプローチ
III.気道管理不全
IV.まとめ
第II部 気道管理手技
6 気道管理の基本
I.手技
II.喉頭鏡操作および気管挿管
III.挿管の不成功
IV.コツとポイント
7 RSIに使用される非脱分極性(競合型)筋弛緩薬
I.サクシニルコリンとRSI
II.サクシニルコリンに対する注意と患者選択
III.非脱分極性(競合型)筋弛緩薬
IV.timing principle
8 意識下挿管手技
I.盲目的経鼻挿管
II.意識下経口挿管
9 困難気道や気道管理不全に対する特殊器具と手技
I.光源付きスタイレットによる挿管
II.逆行性挿管
III.ジギタル挿管(指を用いた挿管)
IV.ラリンジアルマスク(LMA)
V.食道・気管Combitube
10 内視鏡下挿管手技
I.挿管用ファイバースコープ
II.Bullard喉頭鏡
III.ビジュアル気管チューブ(VETT)
11 外科的気道管理手技
I.外科的気道管理
II.輪状甲状膜切開
III.直接的気道留置器具
IV.経皮経気管的ジェット換気
V.コツとポイント
12 小児の気道管理手技
I.基本的手技:バッグ弁マスク(BVM)換気と気管挿管
II.上級手技
III.幼児ではなく,青年や成人に用いられる手技
IV.小児に推奨される侵襲的気道手技のまとめ
13 小児の困難気道
I.解剖学的異常や不慣れなことによる困難気道
II.急性感染症に続発する困難気道
III.非感染性疾患に続発する困難気道
IV.先天異常による困難気道
第III部 気道管理に必要な薬理学
14 筋弛緩薬
I.筋弛緩薬
II.脱分極性筋弛緩薬:サクシニルコリン
III.非脱分極性筋弛緩薬
15 鎮静薬と導入薬
I.超短時間作用型バルビツレート
II.ベンゾジアゼピン
III.その他の薬物
16 特殊状況下での薬物
I.神経遮断薬
II.RSIの前処置で使用される薬物
III.コツとポイント
第IV部 特殊状況下の気道管理
17 小児
I.臨床的課題
II.解剖学的相違
III.生理学的相違
IV.薬物の用量,代謝および選択
V.器具・器材の選択
VI.気道確保
VII.人工呼吸の開始
VIII.小児におけるRSI手技
18 外傷患者
I.臨床的課題
II.迅速な評価
III.外傷患者の気道管理
IV.不穏な外傷患者に対する筋弛緩と鎮静
V.外傷患者に対する筋弛緩薬の使用
VI.外傷患者における気道確保困難例
19 頭蓋内圧の上昇
I.臨床的課題
II.気道管理へのアプローチ
III.人工呼吸の開始
IV.コツとポイント
20 喘息と慢性閉塞性肺疾患
I.喘息
II.慢性閉塞性肺疾患
21 形態的気道障害と上気道閉塞
I.臨床的課題
II.気道管理へのアプローチ
III.コツとポイント
22 重症患者
I.気管挿管に対する臓器反応
II.リスクのある患者
III.挿管に対する有害生理反応の軽減もしくは予防
IV.急性肺水腫
V.心原性ショック
VI.敗血症性ショック
VII.アナフィラキシー
23 妊婦
I.臨床的課題
II.気道管理へのアプローチ
III.推奨する挿管の手順
IV.人工呼吸の開始
V.コツとポイント
24 持続性痙攣の気道管理
I.臨床的課題
II.痙攣患者における気道管理のアプローチ
25 高齢者
I.挿管の判断
II.気道管理のアプローチ
III.困難気道あるいは気道管理不全例
26 成人の気道異物
I.臨床症状
II.対処
III.予後
IV.コツとポイント
27 病院外前処置における気道管理
I.挿管の決定
II.病院外前処置における気管挿管
III.挿管方法
第V部 モニタリングと機械的人工呼吸
28 救急部門での非侵襲的人工呼吸
I.非侵襲的人工呼吸の適応
II.非侵襲的呼吸補助モード
III.侵襲的補助と非侵襲的補助
IV.救急部門での使用
V.コツとポイント
29 機械的人工呼吸
I.人工呼吸器用語
II.換気モード
III.人工呼吸器はどのように呼吸を送るか
IV.人工呼吸の開始
V.コツとポイント
30 緊急気道確保患者でのモニタリング
I.パルスオキシメトリ
II.呼気終末二酸化炭素モニタリング
III.まとめ
付録 困難気道カート
I.ポータブルカート
II.カートの構成
III.メンテナンス
IV.教育
V.内容
索引
内容説明
本書は、救急医療に関連した気道確保の手技とこれを実践するための指針や思想課程が系統的にわかりやすく詳説してあり、医師にはもちろん、医学生、救急救命士、看護師などのレベルでも大いに活用できる内容になっている。たとえば本書では、気道挿管など、わが国でふつうに行われている手技とは異なる方法が紹介されているが、まさに著者の序文にあるように実際われわれが行う手技や考え方の土台が示されているのであって、読者自身あるいは所属の施設での手技や考え方を構築していくうえでの、強力なガイドとなることは必定である。
目次
第1部 気道へのアプローチ(挿管の決断;急速挿管 ほか)
第2部 気道管理手技(気道管理の基本;RSIに使用される非脱分極性(競合型)筋弛緩薬 ほか)
第3部 気道管理に必要な薬理学(筋弛緩薬;鎮静薬と導入薬 ほか)
第4部 特殊状況下の気道管理(小児;外傷患者 ほか)
第5部 モニタリングと機械的人工呼吸(救急部門での比侵襲的人工呼吸;機械的人工呼吸 ほか)
著者等紹介
井上哲夫[イノウエテツオ]
日本医科大学教授・付属千葉北総病院麻酔科部長
近江明文[オウミアキブミ]
東京医科大学助教授八王寺医療センター麻酔科
須崎紳一郎[スザキシンイチロウ]
武蔵野赤十字病院救命救急センター部長
本田完[ホンダオサム]
国立がんセンター中央病院麻酔科・集中治療室医長
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
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