出版社内容情報
近視進行抑制の最新の知見を網羅し、エビデンスに基づいて小児の近視を治療するすべてを集結
世界的に近視の人口が急増し、社会問題となっています。近視の進行は多くが学童期に生じることから、年齢に応じて小児の近視の程度を正しく評価する必要があります。しかし、小児は調節の影響が強く働くため普通瞳孔下での他覚的屈折検査は信頼性が乏しく、調節麻痺薬の使用が不可欠で、検査にもコツがあります。近視の発症早期では、調節緊張に伴ういわゆる「偽近視」を鑑別する必要もあります。
また、近視の治療は屈折矯正だけでなく「進行をどう抑制していくか」という側面が重要となります。近年注目されている近視進行抑制治療の最新の知見を網羅し、低濃度アトロピン、オルソケラトロジーや多焦点眼鏡・コンタクトレンズなど近視進行を抑制する治療をエビデンスに基づいて行うことができるようまとめています。
本書は、小児の近視の疫学・定義・診断基準などの基礎的側面から、視力・屈折検査の実際や眼鏡処方の方法など実践的側面、近視進行抑制の治療法という新しい側面、よくある質問に答えるQ & Aが学べ、日常的に最も多く遭遇する「近視」に実践的に役立つ一冊です。
目次
序論―小児の近視に対する考え方と疫学
総説―近視の分類
小児の近視の定義・診断基準
診断
小児の屈折検査のコツ
屈折矯正法
小児の近視の進行抑制
早期診断と早期介入の可能性
学校保健における健康診断
小児の近視の環境因子
近視の遺伝子研究
近視の動物研究
小児の近視Q&A