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内容説明
そのとき雪童子がぷいっとなげつけた「やどりぎ」は、生命のシンボル。雪嵐の中、死にかけるこどもの生命は、そしてまさに、その雪によって守られた。冬の中には春がひそみ…死の中には生命が宿る…こどもは雪の中で眠り…目覚めと再生の時を待つ…春への予感をふくんで冬の終わりを告げる花―水仙。大いなる自然へのおそれと感謝をこめた宮沢賢治の傑作!黒井健の透明な絵筆によって生まれた美しい絵本の結晶。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
はる
62
幻想的な物語。黒井健さんの絵が美しい。ファンタジーだけれど何故か郷愁を誘う。当時の人々の暮らしぶりが感じられる。厳しくも優しい雪国の自然。きっと賢治の暮らす当時は、この物語のような世界を空想することは難くないのかもしれない。他の方の感想で、雪童子の人間の子供への友情もしくは恋の物語、と書かれていたが、なるほど、と思った。人間の子は男の子とも女の子ともとれるし。赤い毛布だから、女の子?2022/10/24
ぶんこ
61
黒井さんの絵が目的で読みましたが、宮沢賢治の童話も絵と合っていて良かったです。 水仙月の四日というのは大雪と大風で雪の大嵐が吹く日。 お使いに行った赤い毛布の子供が遭難しかけますが、雪童子が雪婆に隠れて助けます。 とにかく雪の世界の雪婆と雪童子が素敵でした。2016/02/24
yomineko@ヴィタリにゃん
56
雪国の宮沢賢治さんならではのお話だった。絵が幻想的で美しい。日本の雪深いところでは雪ばあばやら雪わらしが恐れられているが、ロシアでは何故か超美人な雪の女王。2023/07/08
天の川
50
伊吹さんの「雲を紡ぐ」に黒井さんの挿絵の絵本が出ていたので…吹雪をもたらす雪狼を従えた雪童子。黒井さんの絵が本当に美しい。雪童子が放り投げたヤドリギを手に歩く、赤毛布にくるまった男の子。あぁ、なるほどホームスパンだ。雪童子の優しさとこの温かな布が男の子の命を守ったんだとじんわり考える。ヤドリギはヨーロッパでは幸運を呼ぶ木だという。カシオピィア、アンドロメダ、アルコールランプ、カリメラ…賢治らしい、美しく優しい絵本だった。2020/03/30
♪みどりpiyopiyo♪
49
そのとき雪童子がぷいと投げつけたヤドリギは、生命のシンボル。雪嵐の中、死にかける子どもの生命。冬の中には春がひそみ、死の中には生命が宿る。■初めて読むお話でした。宮沢賢治の童話。静かに密やかに、どきどきしながら 息をつめながら。■子供服のミキハウスが宮沢賢治の童話を素敵絵本にしてるシリーズの1冊。絵は 黒井 健 。北国の凍る空と雪景色、人には見えない雪の妖精 雪童子の、すべてを見透かす様な目。吹雪と雪空。日の光さえも氷のようで。■大いなる自然への畏怖。ほんとうにほんとうに、息を詰めて読みました。どきどき。2016/11/15
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