内容説明
タルムードは、紀元6世紀に成立したが、実際はそれまでの1千年にわたるユダヤ民族の知的、社会的、宗教的活動の記録の集体成である。その後今に至るまでユダヤ人の生き方、考え方に多大の影響を与えてきた。本書はタルムードとその歴史的・文化的背景を分かりやすく解き明かす。旧約聖書とユダヤ教に関心を持つ人、ユダヤ人を理解したい人に必読の書である。
目次
『タルムードの世界』を読む前に
タルムードとは何か
口伝律法の誕生
なぜ口伝なのか
ミシュナー
ゲマラ
ハラハーとアガダー(法規と伝承)
ラビとはどんな人だったか
ラビたちの宗教
ラビたちの社会的な教え
正義と裁判所
ラビたちの教えを否定したもの
タルムードの永遠の価値
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
き た む ら
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タルムードの内容ではなくタルムードの歴史やユダヤの歴史・思想などについて書かれた本2014/06/10
yoshi41101
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第9章が読み応えあり。理不尽な自然に、善行と報いという神聖な秩序をもたらす一神教の神をインストールする編集力はすごい。p115「神の存在を信じることは、ラビたちにとっては、神のもとへ一歩ずつ近づくプロセスの頂点だったのである」のように、信じてる信じてないに関わらず、信じます・お従いします!って宣言してからでないと一歩も進めない問題というのは確かにある。そこで初めて目指す方向・引力のようなものが生まれる。疑念を抱かずその宣言を真に信じることができればそれ自体ゴール。平和とか憲法とか結婚とかも信仰じゃね。2011/03/24
Abdiel
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ユダヤ教の経典「タルムード」の解説書。前半の章でミシュナー、ゲマラといった用語について解説し、後半の章でタルムードの解釈等について解説する。膨大なタルムードをいきなり読んでも理解できないので、その前に予備知識を得て理解の助けにすると良いらしい。2009/06/17