内容説明
病めるときもすこやかなるときも変わらぬ愛を誓った日から五十年、心豊かな晩年の日々を楽しみにしていた矢先、不協和音が響き始めた。夫は、妻の病気と自分の老いという二重の闘いをどのように闘い、観察したか。貴重な経験から、提言したいこととは何か。いったい患者にとって、また介護する者にとってアルツハイマーとは何なのか。残された高齢者はどう生きるべきか。九十歳を過ぎてなお意気健昂な著者が冷静な筆致でつづる渾身の力作。
目次
第1章 幸福な結婚生活
第2章 なにかの起こる兆し
第3章 介護者として夫として
第4章 老いとの闘い
第5章 主夫の役割
第6章 人間的な介護のあり方
第7章 施設へ入れる決断
第8章 老人ホームでの経験
第9章 さあ、家に帰りましょう
第10章 医学生のために
第11章 望みどおりのやすらかな終焉