出版社内容情報
一本のろうそくがともすやさしいあかりは少女の心のよりどころだった。やがて少女は大人になり、ろうそくは木箱の中で長い時間を過ごすようになり……。「いのち」をテーマに生きることの意味とその喜びを静かに描いた感動作。
著者等紹介
林木林[ハヤシキリン]
山口県に生まれる。詩人、絵本作家、作詞家。言葉遊びも数多く手がける。「詩のボクシング」全国大会で優勝
岡田千晶[オカダチアキ]
大阪府に生まれる。ボローニャ国際絵本原画展2010入選。子どもの世界の繊細な表情をていねいに描く(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
masa@レビューお休み中
145
あかりとは、その場所を灯すもの。そして、その場所にいる人を照らすものである。自然のあかりは、ただ照らすだけではない。温もりや、やさしさや、希望や…。そんな目に見えないものすら醸し出してしまう。生まれたての赤ちゃんも、遊び盛りの少女も、大人になった女性でさえも、その温かなあかりに癒され、元気をもらうのだ。一本のロウソクと、一人の女性の行く末を描いたこの絵本は、温かさやさしさとは裏腹に物の大切さと、命の重みを感じる物語なのです。2015/11/13
Hideto-S@仮想書店 月舟書房
109
炎には不思議な力があります。電気の明かりは暮らしにはなくてはならないものだけど、暖炉やろうそくの火を見つめていると、心が静かになるような気がします。生まれたばかりの娘の幸せを願ってお母さんが作ったろうそく。女の子は大きくなると、自分で火を灯すようになりました。辛い夜に嵐の海を照らす灯台のように、ろうそくの炎は彼女の心を優しく励ましてくれたのです。火が灯るたびにろうそくは小さくなり、そのうち棚の奥に仕舞われてしまいました。長い時を経て、久し振りに火が灯された時……。心に優しい火が灯るような静謐な絵本です。2015/04/26
はる
101
とても良かった。優しくてあたたかい。母親の愛情がこもった手作りのろうそく。その仄かな光はいつもあなたを見守っていた…。岡田千晶さんの柔らかなタッチのイラストが素晴らしい。場面ごとに微妙に変化していくろうそくが、まるで感情があるように見えてくる不思議。その想いが切なくて…ラストは胸がいっぱいになりました。2019/02/03
おくちゃん🌹柳緑花紅
90
女の子の誕生の日に初めて灯された大きなローソク♪彼女の成長にずっと寄り添い、そのあかりは癒しであり、温もりであり、励ましであり、女の子は大きくなりそれにあわせて小さくなるローソク、けれど灯るあかりは最後まで温かい♪彼女の終わりの日に生まれた日のように灯るローソクのあかり。美しい絵本!!2015/03/29
ままこ
89
母親が赤ちゃんの幸せを願って作ったろうそく。女の子の成長と共に色んな場面で火がつけられる。表紙の絵もそうだが柔らかなオレンジ色のあかりは見ていると心が落ち着くな。ろうそくの健気な気持ちも優しく心に灯がともる絵本。2019/02/15