内容説明
どうだ、ジョーゼフ、わしの手は。まだまだたっしゃなわしの手で、おまえにもおしえてやろう、ピアノやトランプ、やきゅうを。そして、むかしわしができなかったことを…。
著者等紹介
メイソン,マーガレット・H.[メイソン,マーガレットH.][Mason,Margaret H.]
アメリカ、デラウェア州のウィルミントンに生まれる。ミシガン大学公衆衛生学部を卒業。現在、ミシガン州の保険医療制度を改善する仕事のかたわら、創作活動を続けている。ミシガン州のファーンデール在住
クーパー,フロイド[クーパー,フロイド][Cooper,Floyd]
アメリカ、オクラホマ州のタルサに生まれる。これまでに手がけたこどもの本は60冊以上。油絵の具で描いた絵を練り消しゴムで消すという独特の技法で作品を制作している。2009年“The Blacker the Berry”でコレッタ・スコット・キング賞を受賞。ペンシルバニア州のイーストン在住
もりうちすみこ[モリウチスミコ]
1955年、福岡県に生まれる。九州大学教育学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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nakanaka
87
おじいちゃんの孫への愛情が伝わってくる素敵な絵本であると同時に個人の尊厳という大切なことを教えてくれる作品でした。今では人種差別が無くなって誰でも自由にやりたいことが出来るんだ、という終わり方ではありますが完全に無くなっていないというのが現実ですね。まだまだ息子たちには理解できない問題だとは思いますがしっかりと伝えていきたいです。アメリカでは黒人差別が未だに社会問題となっていることに胸が痛みます。2016/09/24
とよぽん
41
アフリカ系アメリカ人に対する差別は、自由の国アメリカ合衆国で公然と行われてきた。・・・おじいちゃんの手は何でもできる器用な手なのに、黒人はパン生地をこねることが許されなかった。しかし、おじいちゃんは仲間と一緒に人間として当たり前の権利を主張して、1964年公民権法成立に至った。誇り高きおじいちゃん、絵はとても優しそうに見える。2019/12/15
けんちゃん
31
読友さんのご紹介本。何でもできるおじいちゃんの手、でもパン生地をこねることはできなかった。今、誰もが何でもできる時代に生きるジョーゼフにおじいちゃんが、人種差別の苦難の時代と未来への希望を語ります。グッとくるお話です。今も世界のいろいろなところで、差別に苦しんでいる人たちへの希望となって欲しい本です。独特の手法で描かれた、柔らかいセピア色のイラストがすてきです。2012/01/27
わむう
28
1950年代のアメリカにおける人種差別を描いた絵本。ベーカリー工場で公正な労働条件を求めて立ち上がった話を孫にわかりやすく話しかけている。2019/12/23
gtn
26
何でもできるおじいちゃんが大好きなジョーゼフ。おじいちゃんの最大の贈り物は、誰にも不当な蔑視を受けず普通に暮らす権利。それをおじいちゃんは身を賭して勝ち取ってくれた。幼いジョーゼフも、大きくなれば、おじいちゃんを更に誇りに思うはず。2019/09/28




