ぬすみ聞き―運命に耳をすまして

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  • サイズ A4判/ページ数 40p/高さ 29cm
  • 商品コード 9784895728102
  • NDC分類 E
  • Cコード C8797

内容説明

だんなさまも、おくさまも、かんじんなことは、なにひとつ奴隷にはおしえてくれない。だから、わたしたち子どもがこっそり話を聞きとって、おとなたちに伝えるのだ。ボビーとスーとわたしは、窓の下にうずくまる。ここで耳をすますのが、わたしたちの仕事。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

おか

59
図書館の返却棚から。アメリカの奴隷の子供の話。当時 奴隷は物として扱われていたので ご主人様の動静を知ることは とても重大な意味を持っていた。そこで活躍するのは子供達。夜 こっそりご主人様の家の窓の下で「ぬすみ聞き」をするのだ。複題にあるように 正しく 運命に耳をすまして いるのである。物語はリンカーンが大統領に選ばれた事をぬすみ聞きしたところで終わるが 父親が 子供達に これからの険しい道のりと 彼等への期待を話す場面が 何とも哀しい。2018/06/06

けんちゃん

25
読友さんのご紹介本。黒人奴隷の子どもたちに課せられた大事な役割は「ぬすみ聞き」。これが奴隷たちの貴重な情報源でした。人間の尊厳を奪われ、馬よりも安い労働力としてムチをあてられて働く奴隷たちの過酷さ、そして新大統領就任に自由への希望の光を抱くところには涙しました。全体的に暗い色調の中で、綿花のやわらかい白が美しいです。2011/09/15

天の川

24
児童書にはそぐわないタイトルに手をとった一冊。奴隷は馬より安価な労働力でしかなく、売買され、家族と別れる危険と隣り合わせ。過酷な日々、彼らの情報源は夜の屋敷の庭での子どもたちのぬすみ聞き。子ども達は使命を遂行しながらも、漏れ聞こえる音楽で踊ったり、詩を覚えたり、健やかだ。ぬすみ聞きから得たリンカーン大統領誕生の情報への歓喜。父親の「きっと長くけわしい道になる」の言葉。公民権運動まで百年、公民権運動から現在まで五十年。人種差別を静かに強く訴えかける良書。読まれた形跡がほとんどないのがひたすら残念。2014/06/02

花林糖

16
(図書館本)リンカーンが大統領になる直前の綿花栽培の農場で、奴隷の子供達が主人のお屋敷でぬすみ聞きをするお話。マイク・ベニーの絵もとても素晴らしく、表紙絵・奴隷達が一列になって帰る絵が印象的。 2016/01/18

ツキノ

15
図書館の利用者さんの返却本。「これは読まなきゃ!」とビビビときた。盗み聞きとは聞き捨てならぬ言い方だけれど原題は「THE LISTENERS」。運命に耳を澄ませるのが奴隷の子どもたちの重要な役割だったという…リンカーンが大統領になる直前の家族たちの物語。絵も美しく素晴らしい作品。2015/12/19

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