内容説明
生きていく。どんな時も―人気作『あかり』『ひだまり』のコンビが贈る、待望の最新作。
著者等紹介
林木林[ハヤシキリン]
山口県に生まれる。詩人、絵本作家、作詞家。第4回詩のボクシング全国大会で優勝。『ひだまり』(岡田千晶絵、光村教育図書)で第66回産経児童出版文化賞産経新聞社賞を受賞。詩集、絵本、翻訳など作品多数。岡田千晶との絵本に『あかり』(光村教育図書)がある
岡田千晶[オカダチアキ]
大阪府に生まれる。ボローニャ国際絵本原画展2010入選。子どもの世界の繊細な表情をていねいに描く。『ひだまり』(林木林文、光村教育図書)で第66回産経児童出版文化賞産経新聞社賞を受賞。作品多数。林木林との絵本に『あかり』(光村教育図書)がある(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ままこ
92
木陰に咲く野の花達が待ち望むこもれび。吹き抜ける風。ちらちらとこほれびがスポットライトのように照らし出す。「ああ、わたし、光にふれてる!」すみれの葉にとても待ちわびたこもれびがのった瞬間の言葉が印象深い。〈どんな境遇でもまた光はくる。わずかなこもれびにでも希望は託せる。〉健気な野の花達の言葉に込められたメッセージは心に残り、色味を抑えた柔らかな絵で描かれるこもれびが自然で光の描き方が秀逸。『あかり』『ひだまり』同様に林さんと岡田さんコンビ文と絵がとてもマッチしている。2020/05/24
MI
91
この絵本は珍しく木や草花目線で物語が展開していく。木も草も鳥たちもこもれびの光を求めて風に揺れる。読んでいると森の中を散歩しているような穏やかな気分になる。森の風景がきれいな絵本2023/08/29
はる
60
草花たちの想いを描いた優しい絵本。岡田千晶さんの絵がとてもいい。写実的なのに、まるで草花に表情があるように豊か。そして写実的だからこそ、草花の想いがより深く心に響く。刻々と変化する光の描写が秀逸。風に揺れる草花が、まるで目の前で語りかけるようだ。ラストも温かい。2022/06/22
ぶんこ
57
こもれびが草花に与えてくれる恵みの大きさに圧倒されました。特にすみれ。私はすみれは日陰を好むのかと思っていたら、それは真夏のこと。本当は日当たりの良い場所を好むとは。だとすると、なんて気の毒なことでしょう。たんぽぽやつゆくさもこもれびが嬉しいのですね。動物だけではなく、生きとし生けるもののひたむきさが尊い。2022/06/26
よこたん
51
“わたしは ここで 生きるしかない。でも、やっと わかったの。いつも 同じじゃないって。今は、しんじられる。いつか また 光が くる。そのときのために、葉を ひろげておきましょう。どんな 小さな光にも ちゃんと ふれられるように” コップに入った水を「もうこれだけしかない」と思うか、「まだこんなにもある」と思えるかで、見える景色もきっと違ってくる。日光は、平等に降り注いでいるようでも、立ち位置によって変わるものだ。もし、同じように当たったとしても、受け止め方で「暑い」、「温かい」と変わるものなのだろう。2020/10/11