著者等紹介
フルトン,リン[フルトン,リン] [Fulton,Lynn]
英語学博士号取得後、保険調査員、中学校教員などを経験する。『怪物があらわれた夜―『フランケンシュタイン』が生まれるまで』がデビュー作となる。現在、サンフランシスコ在住
サラ,フェリシタ[サラ,フェリシタ] [Sala,Felicita]
絵本画家。これまでに『せかいでさいしょのポテトチップス』(BL出版)がある。現在、夫と娘とともにローマ在住
さくまゆみこ[サクマユミコ]
編集者、翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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アキ
74
今から200年以上前スイスのレマン湖畔の別荘でメアリーは怪談の物語を考えていました。それは1週間後に怪談をみんなで持ち寄り読み比べをしようと提案されたからでした。嵐の夜、稲妻に光る鏡に写る自分の青白い顔を見て、6歳の頃死んだ人に電気を使い体を動かそうとする恐ろしい実験を思い出しました。でも甦った死者として生きるとしたらもっと恐ろしいと思い、夜中その物語を一気に書き上げました。1818年20歳のメアリー・シェリーは「フランケンシュタインあるいは現代のプロメテウス」を発表し話題になり5年後劇が上演されました。2021/01/24
☆よいこ
61
絵本。読み聞かせ可能(あとがきに説明あり)200年前の嵐の夜。雨に閉じ込められた人たちが集まって怪談を披露しあうことになった。メアリーは、いのちの秘密、仲間のいない孤独などを深く考えあるモンスターを作り出す。▽あとがきまで読むこと。2020/03/01
♪みどりpiyopiyo♪
49
いまから200年もまえの、嵐の夜、メアリーは、スイスのレマン湖のほとりにある別荘の2階で鏡台にむかっていました… ■フランケンシュタインが生まれるに至った物語を読みました。フランケンシュタインといえば映画などで描かれた奇怪な怪物のイメージが強いけど、元の小説は? 当時の社会情勢や女性の立場は? ■ひとりの女性の想像力が生み出したのは、ただのおどろおどろしい化け物ではなく、異形の者の孤独と悲しみ。■SF小説の創始者とも呼ばれる作家の誕生の物語でもありました。原作の前菜にぴったりな絵本でした✩⡱(2018年)2019/08/30
鷺@みんさー
41
メアリー・シェリーがどのようにして『フランケンシュタイン』を書くに至ったか、その恐ろしくも悲しい存在が彼女の中に生まれた瞬間を、ユーモラスかつ不気味な絵で丁寧に紹介している。裏表紙が好き。2019/02/18
kei-zu
39
「フランケンシュタイン・コンプレックス」という言葉があるように、メアリ・シェリーの物語は後世に大きな鋳型を与えた。人造人間の創造への憧れと恐れは、撰集抄にある西行法師の物語にも見られるように、人類の奥底に沈むものであるのだろう。 本書は、当時の女性の社会的地位も背景に取り込む。多面的な読み方ができる点で興味深い1冊。2021/02/21