内容説明
すべてを失い、最後に残ったのは―人気作『あかり』の作家・画家コンビが贈る最新作。
著者等紹介
林木林[ハヤシキリン]
山口県に生まれる。「詩のボクシング」全国大会で優勝。詩人、絵本作家、作詞家。ことば遊びの分野でも活躍中
岡田千晶[オカダチアキ]
大阪府に生まれる。ボローニャ国際絵本原画展2010入選(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
※書籍に掲載されている著者及び編者、訳者、監修者、イラストレーターなどの紹介情報です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぶち
114
多くの読友さんが読んでいて、高評価の絵本です。色鉛筆なのでしょうか、とても美しい絵です。トラビスという野良猫の心を慰めてくれた同じ野良のミケーレ。初めは独占していた日溜まりを、ミケーレと分かち合うようになったトラビスは、大切な者の存在を知ったのです。大切な存在があることの幸せ。それを失ったときの悲しみ。立ち直るまでの苦しみ.....美しくも優しいタッチの絵と柔かな文で、多くのことを教えてもらいました。ミケーレを失った後、トラビスがまた日溜りを見つけたことを嬉しく思います。読んでいて涙がでてきました。2019/10/12
ままこ
111
自分本位な猫のトラビスが心優しいミケーレと出会い考え方を変えていく。お互いがかけがえのない存在に。「おひさまが また 光のもうふを かけてくれた」ひだまりをこう表現したミケーレの感性が素敵。移りゆく季節の中で2匹が仲良く過ごす様子は微笑ましかった。そのぶん後半はとてもとても胸が締め付けられる…。切なく温かい余韻が残るラストシーン。目頭が熱くなり涙がポロポロポロ。林さんの心に沁みる文章と岡田さんの繊細で落ち着いた画風の大人向きの絵本。ひだまりにそっと寄り添う2匹の表紙が素敵です。2019/01/22
ぶんこ
72
読み終わって感想を書こうとしている今でも、まだ涙が止まらない本は初めてです。「ひだまり」という言葉が、読んだ後では心に響く度合いが違っています。なんて暖かくて優しい言葉なのでしょう。この表紙も素晴らしい。岡田さんの絵が絶妙で、自然と物語に入り込んでいきました。他の猫を脅しては餌を横取りしてきたトラビスが、餌を他の猫たちに分け与える優しいミケーレと出会い、愛することを知る。愛しい相手ができるということは辛い事でもあり切ない。全ての猫に幸せになってほしい。そう切に願ってしまいます。2019/02/20
鱒子
70
図書館本 美しい絵のちょっと寂しい絵本。でもあたたかさもここに有るのです。「ひだまり」ってとっても特別な場所なんです。実はわたしにとっても。2020/07/07
hundredpink
65
課題図書に選ばれるだけのことはある。おすすめ。2019/08/25