内容説明
「序文」から難解な「獅子踊りの歌」まで、原文の味わいを生かした現代語による正確な初めての完訳。詳細な脚注付き。索引も充実。
目次
第1部 初版序文~一一八(地勢(遠野郷の由来)
神の始め・一(遠野三山)
山女・一(取り返された黒髪)
山女・二(笹原の上を歩く)
山男・一(笛吹峠)
山男・二(さらわれた娘・一)
山男・三(さらわれた娘・二)
神隠し(サムトの婆)
山男・四(大谷地の恐怖)
昔の人・一(深夜の叫び声) ほか)
第2部 一一九歌謡(獅子踊りの歌詞)
著者等紹介
石井徹[イシイトオル]
1938(昭和13)年、埼玉県蓮田市に生まれる。県立春日部高校をへて、1962年埼玉大学を卒業。1999年までの37年間、県内公立高校に国語科教師として勤務する。遠野物語研究所会員。日本文学風土学会会員
石井正己[イシイマサミ]
1958(昭和33)年、東京都に生まれる。東京学芸大学大学院修士課程修了。現在、東京学芸大学教授。日本文学専攻。遠野物語研究所研究主幹(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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fu
22
「物語」というとフィクションのようだが、「遠野物語」は、実在した地名・人名、時期が明記されており、柳田は「この書は現在の事実である」と語ったという。不思議な民話が紹介されているだけに読めば読むほど懐疑心が生まれるのだが、5W1Hが具体的で(同書は地図付きなので尚更)実話としての説得力もあり、恐ろしさ不気味さが倍増。山男は、出会った人が一様に「背が高く顔が赤く目がぎらぎら輝いている」と語っているのが印象的。自然が身近に感じられ、自然と共存していた時代ならではの物語多。2015/12/05
nemunomori
4
原作の味わいを大事にした口語訳が素晴らしかった。写真や図説も充実していて分かり易いです。おかげで遠野の河童やヤマハハにリアルに再会。怪談が多くて怖かった。2012/09/24
Maki Sakae
2
文明開化の時代に常民の普段の生活、文化を残したということに、非常に意味があったんだろうなー。美しい日本の里山風景に、いまだ河童や山女や天狗がでてくる雰囲気がとても伝わってきました。2012/10/02
りんふぁ
1
テレビで遠野物語の特集をみて、読んだことないなぁと思い読んでみた。怖くはないが不思議な話ばかり。柳田さんが民俗学者だったことも初めて知った。2014/10/31
pyonko
1
原書はちょっと挫折しそうだったのでこちらを読んだ。 注釈も豊富で分かりやすい。2014/04/05